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西山朋佳(にしやまともか)女流三冠 タイトル挑戦棋士を後手で蹴散らす
2023年10月4日、第17回朝日杯将棋オープン戦 一次予選
持時間各40分(チェスクロック使用) 切れたら1分 振駒
西山女流三冠は、午前、順位戦でB級2組に所属する渡辺和史六段(28)に勝利。午後、藤井聡太七冠(21)に棋聖戦と王位戦で挑戦した佐々木大地七段に勝利し二次予選進出を決めた。
女流棋士が朝日杯で二次予選に進出するのは初めての出来事です。
クイズ
少し本題から外れますが、以下の条件に該当する「あの方」は誰でしょう?
- タイトル保持者シードをあの方が独占しているので「二次予選通過者のうち順位戦上位者」というシードが3枠もある(あの方以外の棋士にとっては朗報)
- 全棋士参加棋戦優勝者シード枠もあの方が...
先手 | 後手 | 手数 | |
午前 | 西山朋佳女流三冠(28)○ | ● 渡辺和史六段(28) | 133手 |
午後 | 佐々木大地七段 (28)● | ○ 西山朋佳女流三冠(28) | 110手 |
西山朋佳女流三冠の戦いっぷり
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西山朋佳女流三冠は、一次予選で棋士に4連勝しました。
これにより、今後の公式戦4局のうち2勝すれば、「直近10勝以上、勝率6割5分以上」の基準を満たし棋士編入試験の受験資格を得ることができます。
二次予選では、シード棋士である永世称号者、前回の本戦出場者、順位戦上位者などの一流棋士と戦います。
- 堀口一史座八段
- 谷合廣紀四段(東京大学工学部電気電子工学科卒業、同大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻博士課程に在籍中)
- 渡辺和史六段(2021年、2022年連続で連勝賞を受賞した。18連勝)
- 佐々木大地七段(2023年、棋聖戦・王位戦の挑戦者になり、藤井七冠と番勝負を戦った。)
女流棋士と棋士
将棋界で一般的にプロ棋士と言えば、女流のつかない「棋士」を指します。
女流は女性に限定した枠なので、男性は参加できません。また、男性棋士という枠はありません。
「棋士」になるには、プロ棋士養成機関である奨励会を経て四段になるか、プロ棋士編入試験に合格して四段になります。いずれも、男性・女性の区別はありません。
昨年、里見香奈女流四冠(当時)がプロ棋士編入試験に挑戦しましたが不合格でした。女流四冠であろうとも「棋士」にはなれないほどの実力差があります。里見女流は奨励会在籍経験があり、年齢規定までに四段に昇段できずに退会しています。
同時期に、小山怜央アマはプロ棋士編入試験に合格しています。
![[将棋] 里見香奈女流4冠、プロ編入試験の対戦相手が決まる(残念!)](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgsIUi0tXeDPQo_vEnKLCw5_hSZ8YpNyvNOCxM28CN_gqSdC6bqRVX-gNjAtDb7mcpl7Ubh6F_gStH8hQWb_6_T2Wc9po3a06luWk-3piNy3gp4cp4HRKYCQqqgRFjOgBHFHURqZxmgr9NVyjzEIefZ9sdCW7r26AS2HOW2Ws_-haO1V1XqexxDfY9NLA/w1200-h630-p-k-no-nu/syougi_woman.png)
[将棋] 里見香奈女流4冠、プロ編入試験の対戦相手が決まる(残念!)
里見香奈女流4冠がプロ編入試験の受験を申請した。女流棋士としては初の快挙。里見四冠は、叡王戦で藤井聡太叡王と対戦した出口若武六段を直近の公式戦で破るほどの実力の持ち主。C級2組のプロ棋士5名と対局し、3勝すればプロ棋士四段となりフリークラスへの編入資格を得る。
朝日杯将棋オープン戦とは?
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優勝賞金:750万円
持ち時間:40分、切れたら1手1分未満
全棋士、アマチュア10人、女流棋士3人によるトーナメントです。一次予選(16ブロック)、二次予選、本戦は全てがトーナメントで行われ、決勝は1番勝負です。
本戦の定員は16名。(二次予選勝者8名+本選シード8名)
アマ・女流棋士の参加条件
朝日アマ名人、朝日アマ名人戦全国大会ベスト8進出者、学生名人の計10名。
女流棋士は主催者推薦3名を選抜。
シード棋士
本戦シードは8名、二次予選シードは16名で、シード順位は以下のように定められている。
- 前回ベスト4 (4名)
- タイトル保持者 (最大8名)
- 全棋士参加棋戦優勝者 (最大2名|朝日杯、NHK杯、銀河戦)
- 前回の本戦出場者(二次予選通過者)(最大4名、前回の予選通過者のうち本戦1-2回戦での敗退者が該当)
- 永世称号者(襲位者および有資格者)
- 前回の本戦出場者(二次予選通過者、本戦シード該当者以外)
- 順位戦上位者
()カッコは最大値
シード条件 | 該当棋士 | |
本戦 | 前回ベスト4 | 藤井聡太七冠、渡辺明九段、豊島将之九段、糸谷哲郎八段 |
タイトル保持者(8) | 永瀬拓矢王座 | |
全棋士参加棋戦優勝者(2) | *朝日杯、NHK杯、銀河戦全て藤井七冠優勝のため該当なし | |
前回の本戦出場者(4) | 広瀬章人八段、山崎隆之八段、増田康宏七段 | |
二次 | 永世襲位及び永世資格者 | 谷川浩司十七世名人、羽生善治九段、森内俊之九段、佐藤康光九段 |
前回の本戦出場者 | 三枚堂達也七段、鈴木大介九段、阿久津主税八段、久保利明九段、西田拓也五段 | |
順位戦上位者 | 斎藤慎太郎八段、菅井竜也八段、稲葉陽八段、佐藤天彦九段、佐々木勇気八段、中村太一八段、近藤誠也七段 |
スナップショット
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まとめ
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- 西山女流三冠は、朝日杯でB級2組に所属する渡辺和史六段に勝利。
- 同日、今期藤井聡太七冠と死闘を演じた佐々木大地七段に勝利して、二次予選進出を決めた。
- 女流棋士が朝日杯で二次予選に進出するのは初めての出来事。
- 冒頭のクイズの答え:藤井聡太七冠
- 将棋 | SC2
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将棋の記事リスト|Scrap 2nd.
藤井聡太七冠の生涯成績、タイトル戦の活躍、マスク退場問題、えん罪事件の詳細など。
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三浦九段冤罪事件は根が深い (資料)
2016~2017年にかけての三浦九段えん罪事件に関する情報をまとめています。この事件は将棋界の汚点ともいえる出来事で、渡辺明九段とその仲間たちに肩入れして調査もせずに三浦九段に不当な処分を下した谷川会長(当時)は辞任に追い込まれました。調査の結果、三浦九段の無実が明らかとなり、日本将棋連盟は彼に慰謝料を支払うことを余儀なくされました。どん底に落ちた将棋界のイメージは、藤井聡太四段(当時)の登場によって、回復の兆しを見せました。
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