藤井竜王と藤井さん

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AbemaTVで放送される将棋中継において、解説者が対局者を呼ぶ際のクセに注目しました。

藤井聡太竜王が対局する場面では、彼のことを「藤井さん」と表現する棋士が多いように感じられます。年齢が近い棋士や年齢の割に段位の低い棋士に多い傾向があるようです。

最新の第81期名人戦第2局1日目の中継でも、解説者は「渡辺名人」に対して「藤井さん」と呼称していました。しかし、両対局者はタイトルホルダーであるため、渡辺名人と呼称するのであれば、藤井竜王と呼称するのが妥当だと思います。

また、藤井竜王はタイトル六冠を保持する実績のある棋士であるため、彼を「藤井さん」呼ばわりするのは適切ではありません。

藤井竜王が不利な形勢に陥ると、「藤井さん」と表現する解説者は嬉しさを隠しきれていません。このような態度は見ていて気持ちのいいものではありませんし、敬意が足りないと受け取られても仕方ありませんので、そのような態度は改めるべきです。

将棋中継を観戦する人たちは、解説者の言葉に大きく左右されることがあります。そのため、彼らが適切な呼称を用いることは、将棋界の礼儀にも関わる問題だと思います。

既に、藤井竜王は通算獲得タイトル13期を誇り、佐藤康光九段(現会長)と並んで歴代7位の実績を残しています。若干20歳なので、今後もタイトル獲得期数を伸ばす可能性があります。

解説者は、公の場では謙虚な姿勢で藤井竜王に接することが求められるでしょう。



屈折する気持ちはわかる

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プロ棋士を名乗れるのは四段から

将棋のプロ棋士と名乗るには四段に昇段しなければならない。そしてプロ棋士になると日本将棋連盟から対局料が支払われ、将棋で生計を立てる道筋が開かれる。

プロ棋士になるルートは、2つ。

  1. 将棋プロ養成機関「奨励会」に入会して四段に昇段する。
  2. プロ棋士編入試験を受験して規定の成績を収める。

奨励会

プロ棋士養成機関である奨励会は、プロ棋士と名乗れる四段になるためのハードルがとてつもなく高い。ほんの一握りの奨励会員しか四段に昇段できないというのが現実。

そのため、中学生14歳で四段に昇段した藤井竜王は、当然ながら羨ましがられるとともに妬みの対象となるのでしょう?

奨励会から新四段になる平均的な年齢は20歳前後と言われているが、現在20歳の藤井竜王は既にタイトル六冠を保持するスーパースターです。

同世代やタイトルを獲得したことのない年上の棋士は「藤井くん」と呼びたくなるのでしょうね。

奨励会の規定では、年間4人の新四段が誕生します。(例外あり)

四段からプロ棋士を名乗れるのであとは実力次第だが、降段、降級規定があるため、四段からフリークラス降級、成績が芳しくなければ引退させられる。

あ~、厳しい世界です。

日本将棋連盟は、奨励会の規定について次のように定めている。

[奨励会規定から引用]
  1. 満21歳の誕生日までに初段になること。
  2. 満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になること。
  3. 最後にあたる三段リーグで勝ち越しすれば、次回のリーグに参加することができる。
  4. 以下、同じ条件で在籍を延長できるが、満29歳のリーグ終了時で四段に昇段できなければ退会。
  5. 三段から四段への昇段は年2回の三段リーグに参加し、1・2位の成績を取ること。
  6. 三段リーグ戦で、2回次点を取った者はフリークラスに編入することができる。

プロ棋士編入試験

プロ棋士編入試験は年齢制限がないため、奨励会を退会しアマチュアとして活動を続けている人でも受験することができます。

2022年度には、里見香奈女流と小山怜央アマがプロ棋士編入試験に挑戦しました。里見女流は不合格でしたが、小山アマは合格しました。

小山アマは2023年4月からプロ棋士として活動できますが、フリークラス編入のため順位戦には参加できません。

[プロ編入試験 受験資格]
  1. 現在のプロ公式戦において、最も良いところから見て10勝以上、なおかつ6割5分以上の成績を収めたアマチュア・女流棋士の希望者
  2. 四段以上の正会員の推薦のある者

フリークラスからC級2組への昇級

AI対プロ棋士

プロ棋士編入試験に合格するとフリークラス編入への権利を得る。また、奨励会三段リーグで2回次点を取るとフリークラスに編入する権利を得る。

2023年度第94期棋聖戦の挑戦者の座を獲得した佐々木大地七段は、フリークラス編入からC2へ昇級してタイトル挑戦者になりました。

対して、フリークラス編入の権利を放棄して実力で四段に昇段する道を選択したのが、名人位3期獲得の実績を持つ佐藤天彦九段です。佐藤九段はマスク規定で反則負け第1号にもなりました。

[フリークラスからC級2組への昇級規定]
*以下のうち一つを満たした場合に昇級できる(※「年間」は4月1日から翌年3月31日まで)
  1. 年間対局の成績で、「参加棋戦数+8」勝以上の成績を挙げ、なおかつ勝率6割以上。
  2. 良い所取りで、30局以上の勝率が6割5分以上
  3. 年間対局数が「(参加棋戦+1)×3」局以上。ただし、同じ棋戦で同一年度に2度(当期と次期)対局のある場合も1棋戦として数える。
  4. 全棋士参加棋戦優勝、タイトル戦(朝日オープン将棋選手権含む)挑戦。
  5. 上記の復帰規定に該当する成績を取れずに、編入後10年間(4月1日付転入・昇段の場合は満10年、10月1日付昇段の場合は10年6ヶ月)経過、もしくは満60歳の誕生日を迎えた年度が終了した場合は引退となります。
[将棋] プロ編入試験に小山怜央アマ挑戦、里見女流残念!

[将棋] プロ編入試験に小山怜央アマ挑戦、里見女流残念!

規定により、11月からプロ編入試験が行われる。 試験官は新四段5名を棋士番号順に選出する。 里見女流四冠とあわせて対局結果を見守りたい。 がんばってください!

[将棋] 警告なしで一発退場、佐藤天彦九段マスクを忘れて反則負け

[将棋] 警告なしで一発退場、佐藤天彦九段マスクを忘れて反則負け

2022年10月28日の第81期A級順位戦 第4局、佐藤天彦九段がマスク不着用を理由として反則負けと裁定された。 対戦相手は、永瀬拓矢王座。 裁定を下したのは、日本将棋連盟常務理事鈴木大介九段。

ナベ軍団

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ナベ軍団って?

渡辺明名人と仲間たちを「ナベ軍団」と定義してみる。

例えば、Abemaトーナメントで渡辺名人がドラフト指名した棋士は、ナベ軍団と言えるのではないか?

チーム渡辺 / Abemaトーナメント
年度回数チーム名リーダードラフト1ドラフト2結果
2020年第3回所司一門渡辺明三冠近藤誠也七段石井健太郎六段準優勝
2021年第4回ホームラン渡辺明名人近藤誠也七段戸辺誠七段2回戦敗退
2022年第5回マンモス渡辺明名人近藤誠也七段渡辺和史五段ベスト4
2023年第6回チーム渡辺渡辺明名人佐々木勇気八段岡部怜央四段対戦中

そして、三浦九段冤罪事件を演出したメンバーもナベ軍団と言えそうだ。

2021年Abemaトーナメント「チーム藤井」で活躍した伊藤匠五段は、チーム渡辺のメンバーと練習将棋をしていたことをチクられたのでナベ軍団と言えるかもしれない。

だからどうした?

私は「三浦九段冤罪事件」の内容がエぐすぎて、ナベ軍団が好きになれない。

ただそれだけ。

三浦九段冤罪事件は根が深い (資料)

三浦九段冤罪事件は根が深い (資料)

2016年7月~2017年5月までの三浦九段冤罪事件の資料です。

まとめ

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  • 将棋中継において、解説者が対局者を呼ぶ際のクセに注目してみた。
  • 藤井聡太竜王について、彼のことを「藤井さん」と呼ぶ解説者が見受けられる。
  • 年齢が近い棋士や年齢の割に段位の低い棋士に多い傾向がある。
  • 最新の名人戦中継でも、解説者は「渡辺名人」に対して「藤井さん」と呼称していた。
  • 藤井竜王はタイトル六冠を保持する実績のある棋士であり、彼を「藤井さん」呼ばわりするのは適切ではない。
  • 将棋中継を観戦する人たちは、解説者の言葉に左右されることがあるため、適切な呼称を用いることは将棋界の礼儀にも関わる問題。
  • 藤井竜王は通算獲得タイトル13期を誇り、佐藤康光九段(現会長)と並んで歴代7位の実績を残している。
  • 藤井竜王は若干20歳であり、今後もタイトル獲得期数を伸ばす可能性がある。
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