2022年10月28日 23:30頃、
第81期名人戦A級順位戦 第4局、
永瀬拓矢王座(先手) vs 佐藤天彦九段 戦において、佐藤九段が一定時間マスクを付けずに対局し反則負けと裁定された。
新型コロナウイルス対策として日本将棋連盟が2022年1月26日に制定した「臨時対局規定」では、対局中はマスクを着用することが定められている。
[臨時対局規定、2022年1月26日制定]
- 第1条:対局中はマスクを着用すること。(原則として不織布)
- 第3条:対局者が第1条の規定に反したときは違反行為に準じる反則負けとする。
公式プレス
臨時対局規定、第1条、3条、4条に抵触すると裁定された。(臨時対局規定)2022-10-31
先週28日 (金)の順位戦A級4回戦、永瀬拓矢王座対佐藤天彦九段戦における佐藤九段の反則負けの裁定について、その経緯と詳細をご報告申し上げます。同対局においては、佐藤九段が約30分にわたるマスクの未着用を2回行ったことから、中継映像を確認の上で弊社団役員間にて協議を行い、臨時対局規定第3条に基づいて佐藤九段の反則負けと裁定致しました。 日本将棋連盟
不服申立書
10月31日の日本将棋連盟の裁定に対して、11月1日、佐藤天彦九段は不服申立書を日本将棋連盟に提出し受理された。
ザックリ言うと、
「過失によるマスク不着用にもかかわらず、一発反則負けと裁定したことは、臨時対局規定の主旨に反する処分であるため撤回してもらいたい。」
[不服申立書 骨子]
- 対局中、合計1時間程度マスクを着用しなかったことは事実であり深く反省している。
- マスク不着用の結果として、対局相手の永瀬拓矢王座にご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げる。
- 今回の日本将棋連盟の裁定は、臨時対局規定の解釈を誤って適用されたものであり、かつ、著しく相当性・公平性を欠いたものであると考えているため不服申立てをした。
- マスク不着用は故意ではなく過失であり、対局相手に対する何らかの効果を期待して行ったものではないことを申し述べる。
- 過失によるマスク不着用に対して即時に反則負けと裁定したことは、臨時対局規定の解釈を誤った処分だと考えている。
- 常務会に求めること:反則負け判定の取り消し、対局のやり直し、臨時対局規定の適用基準の明確化、規定の趣旨に反するルールの修正、臨時対局規定の改廃時期・条件の明確化
とても長文なので、別ページで文字起こしをしてます。
佐藤天彦九段がTwitterにアップしたファイルを文字起こししてみた。
問題のシーン (YouTube)
【対局Live】▲永瀬拓矢王座ー△佐藤天彦九段【第81期将棋名人戦・A級順位戦】
少し巻き戻してみると、佐藤九段がマスクを着用せずに対局に没頭している状況が見える。そして、奥の通路に人影がパラつくようになり鈴木大介常務理事登場。
佐藤九段に「反則負け」を告げるのであった。(映像にはありません)
最後に記録係が駒を片付ける様子が淋しい...
対局後は本来は上位者、今回は永瀬王座が駒を片付ける役目だがその姿は見えない。
対局は午前10時に開始。終盤を迎えた午後11時ごろ、佐藤九段は112手目を指した後にマスクを片耳に掛けて考え始め、マスクを外して対局を続けた。
30分ほどたったところで、対局相手の永瀬拓矢王座(30)が「反則負けではないか」と指摘。
会館内に立会人がいなかったため、連絡を受けた同連盟の鈴木大介常務理事が急きょ駆け付け、佐藤康光会長らと協議した結果、反則負けが決まった。(毎日新聞、魚拓)
30分ほどたったところで、対局相手の永瀬拓矢王座(30)が「反則負けではないか」と指摘。
会館内に立会人がいなかったため、連絡を受けた同連盟の鈴木大介常務理事が急きょ駆け付け、佐藤康光会長らと協議した結果、反則負けが決まった。(毎日新聞、魚拓)
意外とマトモな5ch
匿名でホンネを語れる強みが5ch。永瀬王座が一方的に叩かれるかと思いきや、そうではなかった。
- 流石永瀬って感じ、絶対に萎縮しない、ノーと言える王座。
- 永瀬は席を立って第三者に注意を促すようすればよかったのに、遺恨を残してしまう。
- 相手に勝敗に直接関わる話題を振ると助言行為と見做されて逆に指摘した側が反則負けにされるおそれがある。だから連盟理事に話をした。
- ひとつハッキリしているのは、証拠と言える対局ノーカット動画が、誰でも見られる状態で公開されていて事実確認が誰でもスムーズにできること。もし、対局動画が残っていない場合、言った言わない、あったなかった、あることないこと色々尾ひれがついて混乱したかもしれない。
- 三浦のときの連盟完全降伏も、そもそもの疑惑のきっかけになった久保との対局がマイナーなchで全部垂れ流しになってたことに気づいたからと言われてるな。(三浦冤罪事件)
- 第一印象は勝負に辛いと思ったけど、将棋スレ見たら気づかせようとマスクアピールしてあげてたんやな。それで外したままだったなら失格でもしゃあないわ
- ルールは公平性のためにあるものだからな
- 今まで反マスク派だった棋士すら規定が出来てからはちゃんとマスクしてたからね
- 着けてる方だけ酸素の供給量変わっちゃうからな
- ルールがあるなら公平性喪失で失格で当たり前だ
- 立会人いたら永瀬が立会人にアピールして立会人が警告して済んだ話じゃん。一定時間て雑過ぎだろ、動画見てきたけど。
- 最初からマスクしてなきゃなんとも思わんだろうが、着用義務があるからずっとマスクして指してたのに終盤に急にマスク外されたらいつマスクするんやろ?って気になるやん
- 記録係は奨励会員だから立場が弱い。記録係に責任を負わせるのは無理。だから立会人が勝手に席を外しちゃダメなんだよ。
- 5ちゃんが一番まともだな。ルールである以上守れない方が悪いに決まってるだろ。
- 将棋は二歩だろうが指し間違えだろうがやった瞬間に反則負け。ルールがあって勝ちは勝ち、負けは負け。
- マスクしてると集中力が削がれる、だから最終盤は外してもいいことにしてはどうかという意見もあったが却下された。
- 天彦だけ30分も外して考えたのは明らかにチートなんだよ。永瀬は30分も大目に見てあげていた寛容な人物で、本来なら5分もハズして考えたら負けだ。
- みんなマスク外して考えたいのを我慢してることを看過しないようにね
- まあ、たしかにルールはルールだから仕方ないが後味悪いな…
- 永瀬が悪いことにしたい輩がチラホラいるが、ルール違反を見過ごせというんだから社会不適合者なんだろうな。
- 永瀬はルールに則ることでルールを守った。立場に相応しい責任を果たした。
- 二歩は反則だけど二歩の直前に『ルール違反ですよ』とか誰も言わないから
- スピード違反して捕まったときに先に注意してくださいよなんて通らないだろ
- 勝負どころの深夜で相手の考慮中に話しかけるとかありえない世界なんだよ。だからね反対意見もあったがルール化したの。負けどころか一定期間出場停止でもいいくらいだ。
- 対戦相手に助言は出来ない。
- これって永瀬が直接指摘してくれたら、天彦は「勝負にかかわる助言」をしたって言い張って永瀬を反則負けにもできるってこと? → できる
- 永瀬拓矢王座は、マスクをしていない佐藤九段にジェスチャーで口の周りを指差すような仕草で伝えていたが、佐藤九段は食後だったため、口の周りに何かついているのかと思い、一度離席し顔を洗って戻って来て、その後、ノーマスク状態の一定時間が過ぎ、反則負けとなった。
- 終局時点形勢 永瀬38%-62%天彦残り時間 永瀬16分-2分天彦
- 優勢な場面で指摘ならともかく劣勢の場面での指摘だったのでそっちの面でも物議を醸している
- こういうことで棋士が批判されることがないように連盟が上手く動けよ
- 失格裁定を下したのは、立会人兼理事の鈴木大介(2019年麻雀最強位、2022年麻雀最強戦出場決定)
- 配信中でもマスクを外す棋士は結構いて、何度か注意がされている。それに逆らった棋士はいない。
- マスクの不着用について促しもしている。反則かもと思ったから、判定してもらっただけ。連盟が判断したわけで、永瀬が反則と決めたわけではないよね。永瀬がセコいとか言ってる人は状況を理解してないのでは?
- こんな決着の仕方が残念なのはそうだけど、もっとも批難されるべきなのはルール破りの天彦だろw被害者みたいに言ってる奴はキチ
- 動画みたけど4時間22分から5時間22分までほぼ着けてないな。途中一度着けたけどすぐ外してる、規定を堂々長々と破りすぎ。
- これ佐藤を負けにしないと秒読み既定の時間読まれてもOKになりかねない
- 連盟のいい加減さが招いた反則負け、現場に立会人がいないとかバカすぎる。ルールを作った側がそれを守らせる側に丸投げとか。
- 鈴木大介は昨日佐藤康光(会長)と棋聖戦の対局やってた。結果は大介勝ち。そのあとで急遽リターンですよ
- どんな糞ルールであろうと従わない競技者が反則負けになるのは当然。永瀬に指摘される前に反則負けにしなかった連盟がアホなだけ。自分で糞ルールを決めておいてそれを恣意的に運用するようでは独裁国家と変わらない。
- こうして永瀬はどんどん誤解されていく...
- また永瀬が嫌われていく……
臨時対局規定
文字起こし臨時対局規定(令和4年1月26日)
公益社団法人 日本将棋連盟臨時対局規定
現状のコロナ禍に鑑み、本連盟会員規程第8条第1項の対局規程として、本来の対局規定に加えて、臨時に、以下のとおり定める。
第1条 対局者は、対局中は、一時的な場合を除き、マスク(原則として不織布)を着用しなければならない。但し、健康上やむを得ない理由があり、かつ、予め届け出て、常務会の承認を得た場合は、この限りではない。
第2条 対局者は、対局場所たる建物内においては、対局以外の場合においても、できるかぎりマスクを着用しなければならない。
第3条 対局者が第1条の規定に反したときは、対局規定第3章第8条冒頭各号の違反行為に準じる反則負けとする。但し、この反則負けには、同条第1項及び第3項は適用しない。
第4条 前条の反則負けの判定は立会人が行い、立会人がいない対局においては、対局規定第3章第9条第4項の順序に従い、立会人の任を代行するものが行う。この判定に不服がある対局者は、対局規定第3章第8条第6項に準じて、判定後1週間以内に、その内容を常務会に提訴することができる。
第5条 対局者が第2条の規定に反したときは、会員規程第8条第1項、第9項に基づき懲戒を行うことがある。
附則 本規定は、令和4年2月1日から当面の間実施することとし、その廃止時期は、別途理事会によって決する。
制定日 令和4年1月26日(同日理事会可決)
以上
まとめ
[マスクを忘れて反則負け]- 2022年10月28日の第81期A級順位戦 第4局、佐藤天彦九段がマスク不着用を理由として反則負けと裁定された。
- 対戦相手は、永瀬拓矢王座。
- 裁定を下したのは、日本将棋連盟常務理事鈴木大介九段。
- 日本将棋連盟が2022年1月26日に制定した「臨時対局規定」では、対局中はマスクを着用することが定められている。
- 対局途中で反則負けを宣告され、両者は対局室に戻ることはなかった。
- 映像が残っているので、創造による誹謗中傷はすぐに検証されるので控えましょうね。
- 2023年1月12日:裁定は覆らず (佐藤天彦九段の不服申立書に対する裁定|日本将棋連盟(archive.today)
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