2023年4月11日
株式会社不二家、日本将棋連盟が主催する第8期叡王戦5番勝負が開幕しました。
タイトルホルダーは藤井聡太叡王、挑戦者は菅井竜也八段です。
もし藤井叡王が勝利すれば、3連覇を果たします。
挑戦者である菅井八段は、「振り飛車」という将棋の戦法の第一人者とされており、これまで藤井叡王が対戦してきた相手とは異なる戦法を得意としています。そのため、勝敗の行方に多くの注目が集まっています。
菅井八段は、藤井聡太竜王との対局について、「私が負けたら、振り飛車で藤井さんに誰も勝てない。」とインタビューで語っており、自身でも振り飛車党の第一人者であると自負しているようです。
そして、
叡王戦の情報を調べていたら、日本将棋連盟が公表するタイトル戦の序列に変化があることに気がつきました。
それはなんと、叡王戦の序列が6位から4位にアップしたことです。この変化は、賞金額が増額されたことを意味しています。
その分、棋士たちのモチベーションも上がっていることでしょう。
すでに第1局は先手藤井叡王が勝利したので、あと2つ勝てば防衛です。
タイトル戦の序列について
日本将棋連盟は、タイトル戦においては、スポンサーとの契約金額に基づき序列を決定しているとされています。
契約金額の15%が賞金として配分されるため、上位に位置するタイトルの序列ほど賞金も高額になります。
契約金額は非公表ですが、例外として竜王戦の賞金額は公表されており、4,400万円です。
竜王と名人は同格ですが、序列は竜王が1位、名人が2位です。
「序列」と「格」という日本的で曖昧な区別になっているのは、江戸時代から続く「名人」というタイトルを軽視できないという背景がありそうです。
名人戦を序列1位にするにはスポンサー頼みとなりますが、スポンサーである朝日新聞社、毎日新聞社の最近の業績を考えると増額は望めない状況です。
竜王戦の賞金額が最も高いのは、日本将棋連盟が読売新聞社に働きかけて実現したものです。
竜王戦は、1988年に読売新聞社により4番目のタイトル戦として創設されました。それまではタイトル戦は名人戦、棋聖戦、王将戦の3つでした。
日本将棋連盟は、4番目のタイトル戦となる竜王戦を将棋界最高峰の棋戦に位置づけることと引き換えに読売新聞社から最高賞金額を引き出すことに成功した経緯があります。そのため、竜王戦の序列1位はゆるぎないものと思われます。
叡王戦の存続は危うい...?
叡王戦は、一番新しいタイトル戦であり、スポンサーに新聞社が絡まない唯一のタイトル戦です。段位別予選を勝ち抜くと本戦はトーナメント方式で挑戦者を決定します。
叡王戦は、2017年の第3期からタイトル戦に昇格しました。その時の日本将棋連盟の序列は3位。
しかしながら、2020年にスポンサーと契約金が変わり序列6位になりました。
そして2022年の第8期から序列4位になりました。
年度 | 歴代叡王 | スポンサー | 序列 | |
第9期 | 2023 | 予選は6月頃から始まる | 不二家? | ? |
第8期 | 2022 | 藤井 or 菅井 | 株式会社不二家 | 4位 |
第7期 | 2021 | 藤井聡太叡王 | 株式会社不二家 | 6位 |
第6期 | 2020 | 藤井聡太叡王 | 株式会社不二家 | 6位 |
第5期 | 2019 | 豊島将之叡王 | 株式会社ドワンゴ | 3位 |
第4期 | 2018 | 永瀬拓矢叡王 | 株式会社ドワンゴ | 3位 |
第3期 | 2017 | 高見泰地叡王 *タイトル戦昇格後の初代叡王 | 株式会社ドワンゴ | 3位 |
第2期 | 2016 | 佐藤天彦叡王 | 株式会社ドワンゴ | |
第1期 | 2015 | 山崎隆之叡王 | 株式会社ドワンゴ |
まとめ
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