第81期順位戦A級 第9局
藤井聡太竜王 ○ vs ● 稲葉陽八段
藤井竜王が91手で稲葉八段に勝ち、7勝2敗とした。敗れた稲葉八段は4勝5敗。
同日行われた、広瀬章人八段 vs 菅井竜也八段は、広瀬八段が104手で菅井八段に勝ち、7勝2敗とした。
A級同率首位の棋士が複数出た場合は同率の棋士全員によるプレーオフにより名人挑戦者を決める規定のため、3月8日に藤井竜王 vs 広瀬八段でプレーオフが行われることになった。
さて、
藤井竜王は3月8日のプレーオフに先立って、3月5日に第49期棋王戦第3局に登場する。棋王戦は5番勝負。2勝している藤井竜王は渡辺明棋王に勝つと棋王奪取、最年少6冠達成となる。
現行の最年少6冠記録保持者は、1994年12月に当時24歳2カ月で達成した羽生善治九段。
この棋王戦の朝日の記事により、藤井竜王が一般棋戦グランドスラムを達成したのではないか?と推測できるようなパワーワード「未放送のテレビ棋戦は含まず」が出現したのでメモしておきます。
グランドスラム対象棋戦
「グランドスラム」というワードは最近メディアが使い始めたような印象だが、具体的にはタイトル戦以外の4つの公式戦を指す。
公式戦とは日本将棋連盟が主催(または共催)する棋戦のことで、棋士の公式記録に残る棋戦のこと。
藤井竜王はすでに3つの一般棋戦を制覇している。
そして、NHK杯は3月19日に決勝が放送予定だが収録はすでに終わっている。
ここにきてメディアが「グランドスラム」というワードで煽っているのは、結果を知っている棋戦主催メディアならではの表現ではないかと疑っております。
「未放送のテレビ棋戦は含まず」
2023年3月4日の朝日新聞DIGITALの北野新太氏の記事において、「未放送のテレビ棋戦は含まず」というパワーワードが出現した。
A級順位戦対稲葉八段に勝利したことで、藤井竜王は先手番28連勝と報道され、先手番連勝記録で羽生九段に並んだとされた。
3月5日の棋王戦は藤井竜王の先手番のため、表向きは、渡辺棋王に勝つと先手番連勝記録で新記録達成かつ最年少6冠達成となるはずだ。
そこで、先に収録を終えているNHK杯準決勝、決勝の対局が気になるところ。
未放送のNHK杯2局において藤井竜王の先手番が存在かつ勝利していたなら、藤井竜王は3月2日時点で羽生九段の記録を塗り替えていたことになる。
どーなんでしょう?
気になって、夜も眠れません。(ウソ)
棋戦主催者は特別(朝日、毎日、読売、産経、...)
朝日新聞は名人戦主催者のため日本将棋連盟公式記録にアクセスすることができる。そこにはNHK杯の結果も記録されているため、放送前の結果を知りえる立場にある。
そして、
「未放送のテレビ棋戦は含まず」の表現は、NHK杯において藤井竜王の先手番が存在かつ勝利していることを示唆している。
負けていたなら「未放送の...」と注釈をつける理由がない。(NHKのかん口令により未放送対局の結果は原稿化できないが、ウソはつけないので、未放送の対局を除くと記事作成時点で先手番28連勝ですよー。と伝えているように見える。)
3月12日放送のNHK杯 藤井vs八代戦において藤井竜王が後手番だった場合、先手番は決勝しかないので決勝で勝利していることになりますね...?
過去の六冠は、1994年12月に当時24歳2カ月で達成した羽生善治九段(52)のみ。現在20歳7カ月の藤井竜王が達成すると史上2人目、史上最年少での到達となる。
第3局は5日午前9時に開始される。持ち時間は各4時間。同日午後に終局する見込み。(北野新太) 朝日新聞デジタル朝日新聞デジタル(魚拓)
藤井竜王通算成績
まとめ
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