scrcpy
scrcpy は、Android デバイスの画面をPCに転送するソフトウェアです。GNU/Linux、Windows、macOS で動作します。
Android 11以降に実装されたワイヤレスデバッグに対応しています。USBケーブルは不要で、完全ワイヤレス環境で使用できます。
このツールを使用することで、ミラーリングされたAndroidデバイスの画面をPCのキーボードで簡単に制御することが可能です。
今回は、Pixel 6aのワイヤレスデバッグを活用して、scrcpyの動作検証を行いました。この記事では、ソフトウェアの入手方法、インストール手順、そして画面転送の方法について詳しく紹介します。そして、USBケーブルは必要ありません。すべてを完全ワイヤレス環境で行うことができます。
全体の流れ
*Pixel 6a で検証。(Android 12)
*ワイヤレスデバッグは開発者向けオプションの機能です。
ワイヤレスデバッグを有効にする方法
ワイヤレスデバッグを使用するには、開発者向けオプションを有効にして、ワイヤレスデバッグをオンにする必要があります。
ペアリング
ペアリング情報は Pixel 6a に登録されるので初回のみこの手順が必要になります。
- [Pixel 6a とPCをペアリング]
- 開発者向けオプションを有効にする。
[設定] > [デバイス情報] > [ビルド番号]:7回タップして「You are now a developer!」を表示させる。
- ワイヤレスデバッグをONにする。
[設定] > [システム] > [開発者向けオプション]
- 「ワイヤレスデバッグ」をタップしてペアリングする。
「QRコードによる...」または「ペア設定コードによる...」
- 設定コードを表示する。(毎回変わるので、閉じる時はメモしておく。)
「ペア設定コードによるデバイスのペア設定」をタップ。
- PCのコマンドラインツールを起動する。(Windows PowerShell など)
- adb.exe のあるディレクトリに移動する。
> cd c:\platform-tools
*Cドライブ直下の[platform-tools]にadb.exeが存在する場合 - コマンド実行、IPアドレスとポートの数値を入力する
> ./adb pair 192.168.0.20:46573
- Wi-Fiペア設定コードを入力する(6桁):例 962199
- 以上
>_Windows PowerShell ー □ × PS C:\WINDOWS\system32> cd c:\platform-tools
PS C:\platform-tools> ./adb pair 192.168.0.20:46573
Enter pairing code: 962199
Successfully paired to 192.168.0.20:46573 [guid=adb-23261...-...]
接続 (PC ~ Pixel 6a)
デバイス名(Pixel 6a)の下に表示された「IPアドレスとポート」を使用する。(ペアリングとは違う値)
- [接続]
- Windows PowerShell を起動。(または、コマンドラインツール)
- ./adb connect [IPアドレス:ポート番号]
→ 例:./adb connect 192.168.0.20:44801、ポート番号はペアリング時のものとは異なる。 - connect to xxx と表示されたらOK
- USBデバッグと同じことがワイヤレスで実現する
- 以上
>_ | Windows PowerShell | ー □ × |
PS C:\platform-tools> ./adb connect 192.168.0.20:44801 connected to 192.168.0.20:44801 |
scrcpy 起動
[scrcpy 起動]- [ペアリング → 接続] 成功
- scrcpy.exe を起動する
- コマンドプロンプト画面が出力されたのち、Pixel 6a の画面がPCに転送される
- ミラーリング画面はマウスで操作する
- 電源オフ、再起動などはショートカットで行う
- 以上
c:\_ | 管理者:コマンド プロンプト | ー □ × |
scrcpy 1.24 <https://github.com/Genymobile/scrcpy> C:\scrcpy-win64-v\scrcpy-server: 1 file pushed, 0 skipped. 7.0 MB/s (41159 bytes in 0.006s) [server] INFO: Device: Google Pixel 6a (Android 12) INFO: Renderer: direct3d INFO: Initial texture: 1080x2400 |
ソフトウェア情報
ワイヤレスデバッグは Android 11~
ワイヤレスデバッグは、Android 11 以降で実装されたUSBケーブルを使用せずにデバイスをデバッグできる技術です。開発者向けオプションに「ワイヤレスデバッグ」の文字があれば使用できます。
Android 5~10では完全ワイヤレスではない?
Android 5~10では、adb tcp:5555 の設定のためにUSBケーブルを使用するため、完全ワイヤレスとはなりません。
ワイヤレスデバッグのセットアップに成功すると、ケーブルレスで adb コマンドが使えます。(ADB: Android Debug Bridge)
SDK Platform-Toolsのバージョン
SDK Platform-Toolsは、ワイヤレスペアに対応したVersion 30.0.0(2020年4月)以降であれば使用できますが、最新バージョンが望ましいです。
まとめ
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