対局中のマスク着用巡り、日浦八段の訴え棄却
2024年10月18日、将棋棋士の日浦市郎八段が、日本将棋連盟を訴えた裁判で東京地方裁判所は「処分は違法ではない」と判断しました。
2023年、将棋の日浦市郎八段が、対局中にマスクを適切に着用せず反則負けとなったことに対し、日本将棋連盟を訴えました。しかし、東京地方裁判所は、連盟の処分は正当と判断し、日浦八段の訴えを棄却しました。
東京地方裁判所の判断
裁判所は、当時の政府がマスク着用時の鼻の覆いを推奨していたこと、そして日浦八段が何度も注意を受けていたにも関わらず、規則を無視したことを理由に、連盟の処分は妥当であると結論づけました。
控訴するか?
日本将棋連盟のマスク規定運用には一貫性が欠けているという指摘が出ています。
佐藤天彦九段の事例では、警告なしに即反則負けとなった一方、日浦八段は3度の警告を経て処分されており、この違いがファンの間で「ブレた裁定」として批判されている。このような背景から、今回の日浦八段の裁判では、連盟の運用が不公平であったことが指摘される可能性が高いと見る向きもあります。
佐藤天彦九段の方が厳しい裁定だった
佐藤天彦九段は、対局に没頭するあまり、途中でマスクを外したことを忘れ対局を継続したため警告なしの反則負けとなった。その後日本将棋連盟に上申書を提出したが、反則負けの裁定が覆ることはなかった。
反則負けとされた対局は、ネット中継されていたのでYouTubeを探せばその映像が見つかるかもです。
ちなみに、反則負けを指摘したのは対戦相手の永瀬拓矢九段です。この行為により、永瀬九段は一部の将棋ファンから非難を受けたが、当時はコロナの真っただ中だったので致し方ないとは思います。
一貫性のない日本将棋連盟
日本将棋連盟は、マスク規定においてはその運用においてブレブレだと言われても仕方のない対応をした。
- 個別事案への対応の違い
各棋士の状況や違反の度合いによって、柔軟な対応を行った結果、異なる処分となった可能性があります。 - 規定の解釈の差異
マスク着用に関する規定の解釈が、個々の裁定担当者によって異なった可能性があります。 - 事前の周知徹底の不足
棋士への規定の周知徹底が不十分であったため、一律の基準が適用されなかった可能性があります。 - 外部からの圧力
報道や世論などの外部からの圧力によって、裁定に影響が出た可能性も考えられます。
今後の日本将棋連盟に求められること
裁判では、日本将棋連盟の運用に問題があったと判断される可能性もありそうだが、日浦八段がその視点で控訴することが前提。損害賠償が焦点なら判断は覆らないのではないだろうか?
出典:時事通信社
将棋の対局中に鼻を出してマスクを着用したことが新型コロナウイルス対策の規定に反するとして、反則負けと懲戒処分を下したのは違法として、日浦市郎八段(58)が日本将棋連盟(東京)に約370万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が18日、東京地裁であった。杜下弘記裁判長は「処分は裁量の範囲内で違法性はない」として、訴えを退けた。
判決によると、将棋連盟は2022年2月、対局中にマスク着用を義務付ける臨時規定を施行。日浦八段は23年1~2月、マスクから鼻が出ているとして三つの公式戦で反則負けとなり、対局停止3カ月の懲戒処分を受けた。
杜下裁判長は、対局中には棋士同士が長時間接近するなどと指摘。マスクの具体的な着用方法に定めはないとする日浦八段側の主張について、当時の政府方針からマスクは鼻まで覆う必要があると解釈できると退け、規定は不合理とは言えないと結論付けた。
まとめ
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