PH-1:2019年5月セキュリティアップデート|Bluetooth音声出力と応答性を改善

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PH-1 2019年5月7日、Essential Products は Essential Phone PH-1 の2019年5月期セキュリティパッチをリリースしました。

PH-1 はピュア Android 製品なので、Google がリリースするセキュリティパッチと連動して数日の誤差で PH-1 用セキュリティパッチがリリースされます。

今回の Security Update は、セキュリティパッチレベルの更新に加えて、Bluetooth 接続による音声出力の改善と、電源 OFF 時の応答性の改善が含まれています。

2019年5月期のセキュリティアップデートの概要は次の通りです。

2019-05 Security Update
Android のバージョンAndroid 9.0.0 Build PQ1A.190105.058
セキュリティパッチレベル2019年5月5日
改善Bluetooth 接続による音声出力の改善
電源 OFF 時の応答性の改善
本体更新88.9 MB
OTAファイル1.05 GB
PH1-OTA-PQ1A.190105.058.zip


アップデート手順の概要

セキュリティパッチをインストールする方法は2種類あります。

本体からアップデートする時は、30分~40分程度端末が使用できなくなるので注意が必要です。

Plan A
PH-1本体からアップデートする方法です。
アップデート完了まで40分程度かかります。
PH-1 > 設定 > システム > 詳細設定:システムアップデート
Plan B
公式サイトから [OTA | Fastboot] ファイルをダウンロードしてPH-1へ転送する方法です。

OTA方式はバージョンアップのみに対応しており、バージョンダウンすることはできません。そして、端末は初期化されません。

OTAファイルを転送する時間は5分前後なので、本体からアップデートするより短時間で終わります。

Fastboot方式はバージョンアップ及びバージョンダウンの両方に対応していますが、端末が初期化されるので再設定が必要です。

PCから OTA (Fastboot) ファイルの転送を行うには adb コマンドが利用できるようにしておく必要があります。

Plan B を実行する手順の概要を記載します。
Plan A は悩む場面がないので割愛します。

adb環境を構築する

OTA または Fastboot 方式によりアップデートする時は、PCに Android デベロッパーツールをインストールして adb コマンドが使えるようにしておく必要があります。

adb:Android Debug Bridge

Android デベロッパーツールは、Essential Products 公式サイトの OTA ダウンロードページにリンクが貼られている Platform tools をお勧めします。(文末リンク参照)

OTA または Fastboot を実行する時は、通常起動したコマンドプロンプトまたは Windows PowerShell を起動して adb コマンドを実行します。

管理者モードで起動する必要はありません。

OTA ファイルを入手する (Plan B)

公式サイトからOTAファイルをダウンロードします。

Developer Overview ページを表示してから「Current Builds」にチェックをつけて、「Submit Form」をクリックすると最新のアップデートファイルのダウンロードページが表示されます。

SubmitForm

OTA (Sideload)

コマンドプロンプトは通常起動でよく、管理者モードで起動する必要はありません。

コマンドプロンプトの代わりに Windows PowerShell を利用することができます。

手順5 の adb sideload の引数に指定するOTAファイル名の入力ミスに気を付けましょう。
  1. PH-1をUSBデバッグモードに変更する
  2. PH-1とPCをUSBケーブルで接続する
  3. adbコマンドを実行してPH-1をリカバリーモードで起動する
  4. PH-1を Apply update from ADB モードにする
  5. adb sideload を実行してOTAファイルをPH-1へ転送する

手順3、4、5の注意点は次の通りです。
  • 手順3:Windows PowerShell または コマンドプロンプトを通常起動して adb コマンドを実行する
  • 手順4:PH-1本体右の電源ボタンを押しながらボリュームUpボタンを押すと選択メニューが表示される
  • 手順5:adb sideload の引数はOTAファイルのフルパスを指定する

以下のコマンドプロンプトの例は、Cドライブ直下の PH-1 フォルダーに PH1-OTA-PQ1A.190105.058.zip が存在していることを前提にしています。

コマンドプロンプトのルートディレクトリを変更するために [cd] コマンドを使用しています。

転送時間は5分程度です。
c:\_
コマンド プロンプトー □ × 
PH-1をUSBデバッグモードに変更してから次のコマンドを実行します。

C:\Users\xxx>cd c:\ph-1

C:\PH-1>adb reboot recovery
* daemon not running; starting now at tcp:5037
* daemon started successfully

C:\PH-1>adb devices
List of devices attached
(PM1LHMA123456789 sideload)

PH-1の電源ボタンを押したままボリュームUpボタンを押してメニューを表示する。
[Apply update from ADB] を選択して電源ボタンを押す。
(メニューの移動はボリューム Up/Down、決定は電源ボタン)

C:\PH-1>adb sideload PH1-OTA-PQ1A.190105.058.zip
Total xfer: 2.00x

c:\PH-1>

転送が終了したら、[Reboot system now] を選択して電源ボタンを押すとPH-1が再起動します。

詳細な手順が必要な方は関連記事を参照してください。

アップデート後のAndroidバージョン情報

c:\_
コマンド プロンプトー □ × 
C:\>adb shell
mata:/ $ cat /proc/version

Linux version 4.4.178-perf+ (jenkins@9d7eb5ae9ef0) (Android (5271481 based on r349610) clang version 8.0.8 (https://android.googlesource.com/toolchain/clang 4dba9ad555eabb40b39dc53c12d09423e9faea7b) (https://android.googlesource.com/toolchain/llvm ab552995647d484a712bf15f77e6c6f4e8ac532b) (based on LLVM 8.0.8svn)) #1 SMP PREEMPT Sat Apr 13 18:52:24 PDT 2019
mata:/ $ exit


今回のアップデートにより Linux version が 4.4.178 になりました。
2019年5月のセキュリティパッチ
Linux version 4.4.178-perf+ (jenkins@9d7eb5ae9ef0) (Android (5271481 based on r349610) clang version 8.0.8 (https://android.googlesource.com/toolchain/clang 4dba9ad555eabb40b39dc53c12d09423e9faea7b) (https://android.googlesource.com/toolchain/llvm ab552995647d484a712bf15f77e6c6f4e8ac532b) (based on LLVM 8.0.8svn)) #1 SMP PREEMPT Sat Apr 13 18:52:24 PDT 2019
2019年4月のセキュリティパッチ
Linux version 4.4.176-perf+ (jenkins@9d7eb5ae9ef0) (Android (5271481 based on r349610) clang version 8.0.8 (https://android.googlesource.com/toolchain/clang 4dba9ad555eabb40b39dc53c12d09423e9faea7b) (https://android.googlesource.com/toolchain/llvm ab552995647d484a712bf15f77e6c6f4e8ac532b) (based on LLVM 8.0.8svn)) #1 SMP PREEMPT Mon Mar 11 01:11:04 PDT 2019
2019年3月のセキュリティパッチ
Linux version 4.4.174-perf+ (jenkins@9d7eb5ae9ef0) (Android (5271481 based on r349610) clang version 8.0.8 (https://android.googlesource.com/toolchain/clang 4dba9ad555eabb40b39dc53c12d09423e9faea7b) (https://android.googlesource.com/toolchain/llvm ab552995647d484a712bf15f77e6c6f4e8ac532b) (based on LLVM 8.0.8svn)) #1 SMP PREEMPT Wed Feb 13 16:46:04 PST 2019
2019年2月のセキュリティパッチ
(Android 9 Pie, Release 7, PQ1A.190105.014)
Linux version 4.4.171-perf+ (jenkins@9d7eb5ae9ef0) (Android (5166481 based on r346389b) clang version 8.0.6 (https://android.googlesource.com/toolchain/clang b55f2d4ebfd35bf643d27dbca1bb228957008617) (https://android.googlesource.com/toolchain/llvm dfe553c721f995b34e6608bd6039cce877e7bb1b) (based on LLVM 8.0.6svn)) #1 SMP PREEMPT Wed Jan 16 14:45:01 PST 2019
2019年1月のセキュリティパッチ
(Android 9 Pie, Release 6, PPR1.181005.116)
Linux version 4.4.166-perf+ (jenkins@9d7eb5ae9ef0) (Android clang version 5.0.300080 (based on LLVM 5.0.300080)) #1 SMP PREEMPT Sun Dec 2 15:06:35 PST 2018

あとがき

OTAファイル名の入力ミスを防ぐには次の手順をお勧めします。
  1. キーボードのShiftキーを押しながら、マウスでファイルを右クリックする
  2. 「パスのコピー」を選択してクリップボードにファイルのフルパスをコピーする
  3. コマンドプロンプトに戻って、CtrlVを押す
  4. ファイルのフルパスがペーストされる

フルパスとはルートディレクトリ (C:\) からファイルが保存されているフォルダーまでの全ての階層を記述したものです。

今回のケースでは、次の文字列のことを表します。

c:\ph-1\PH1-OTA-PQ1A.190105.045.zip

copy-path

検証:Essential Phone PH-1, Android 9(PQ1A.190105.058)
Windows 10 Pro October 2018 Update, v1809.17763.437
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