PH-1:2019年2月セキュリティアップデート|PCからアップデート

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PH-1 Essential Products は Essential Phone PH-1 の2019年2月パッチをリリースしました。セキュリティパッチは PH-1 固有のバグフィックスが含まれています。

PH-1 はピュア Android 製品なので、Google がリリースするセキュリティパッチと連動して数日の誤差で PH-1 用セキュリティパッチがリリースされます。

アップデートするとセキュリティパッチバージョンは次のようになります。
  • セキュリティパッチ:Google Security Patches 2019-02

今回は PH-1 本体からではなく、公式サイトからOTAファイルをダウンロードしてアップデートしたので、関連情報をメモに残します。

Screenshot_201902


セキュリティパッチの適用方法とメリットデメリット

Essential Products はセキュリティパッチを適用する選択肢を3種類用意しています。

具体的には次の通りです。
  1. PH-1本体からアップデートする
  2. 公式サイトから OTA ファイルを入手してPCから本体へ転送する
  3. 公式サイトから Fastboot ファイルを入手してPCから本体へ転送する

1~3はそれぞれメリット/デメリットがあります。

アップデート方法1~3
メリットデメリット
方法1
本体
アップデート直前の利用環境が引き継がれる。

もっとも簡単でリスクが少ない。

Wi-Fiを利用できる。
アップデートに30分以上かかるのでPH-1が使えない時間が長くなる。

セキュリティパッチのファイルサイズに比例してパケットを消費するためキャリア回線を利用する時は注意が必要。
方法2
OTA
アップデート直前の利用環境が引き継がれる。

アップデートは数分で終わるのでPH-1を利用できない時間を短縮できる。

OTAファイルはPCでダウンロードできる。

Wi-Fiを利用できる。
PCに Android デベロッパーツール(adb, fastboot)をインストールする必要がある。

PH-1の開発者向けオプションを有効にして「USBデバッグ」を使えるようにする必要がある。

アップデートの途中でPH-1を手動操作しなくてはならない。

PCとPH-1を接続するためのUSBケーブルが必要。
方法3
Fastboot
アップデートは数分で終わるのでPH-1を利用できない時間を短縮できる。

FastbootファイルはPCでダウンロードできる。

Wi-Fiを利用できる。
方法2に加えて次のデメリットがある。

PH-1が工場出荷状態に初期化されるので、直前の利用環境も初期化される。(アプリ、各種設定情報、ダウンロードしたファイルなど全てのものが削除されます。)

セキュリティパッチの詳細

PH-1 本体からアップデートする時のセキュリティパッチのファイルサイズは 338.7MBです。

2019年1月のセキュリティパッチは 52.2MB だったので、今回は大規模な修正が施されていることが窺えます。

OTAファイル(PH1-OTA-PQ1A.190105.014.zip)は 1.04GB ありましたが、Sideloadコマンドで PH-1 へ転送するだけなので、途中の複数回の再起動処理がないため PH-1本体からアップデートするよりもアップデートにかかる時間は劇的に短くなります。

PH-1本体からアップデートする時は、パケットを 338.7MB 消費するので契約パケット量が少ない回線を利用している方は Wi-Fi を利用しましょう。

OTA ファイルの入手方法

OTAファイルは公式サイトからダウンロードしましょう。

Developer Overview ページを表示してから「Current Builds」にチェックをつけて、「Submit Form」をクリックすると最新のアップデートファイルのダウンロードページが表示されます。

アップデートする手順

PCから OTAファイルの転送を行うには環境整備が必要です。

Platform tools などの Android デベロッパーツールをインストールして adb コマンドが利用できるようにしなければなりません。

Essential Products 公式サイトの OTA ダウンロードページには Platform tools のリンクが貼られているのでそちらを利用しましょう。(文末にPlatform toolsの直リンクを貼っています)

adb:Android Debug Bridge

大まかな手順は次の通りです。
  1. PH-1をUSBデバッグモードに変更する
  2. PH-1とPCをUSBケーブルで接続する
  3. adbコマンドを実行してPH-1をリカバリーモードで起動する
  4. PH-1を Apply update from ADB モードにする
  5. adb sideload を実行してOTAファイルをPH-1へ転送する

実行手順の説明

  • Windows PowerShell または コマンドプロンプトを通常起動する
  • adb sideload の引数はダウンロードしたOTAファイルのフルパスを指定する

以下の例では、Cドライブ直下の PH-1 フォルダーに PH1-OTA-PQ1A.190105.014.zip を保存しているので、adb sideload の引数は C:\PH-1\PH1-OTA-PQ1A.190105.014.zip となります。

転送時間は5分程度です。

通常起動したコマンドプロンプトでコマンドを実行した時の例
c:\_
コマンド プロンプトー □ × 
C:\>adb reboot recovery
* daemon not running; starting now at tcp:5037
* daemon started successfully

C:\>adb devices
List of devices attached
PM1LHMA123456789 sideload

C:\>adb sideload c:\ph-1\PH1-OTA-PQ1A.190105.014.zip
Total xfer: 2.00x

アップデート後のAndroidバージョン情報

>_
Windows PowerShellー □ × 
PS C:\> adb shell
mata:/ $ cat /proc/version

Linux version 4.4.171-perf+ (jenkins@9d7eb5ae9ef0) (Android (5166481 based on r346389b) clang version 8.0.6 (https://android.googlesource.com/toolchain/clang b55f2d4ebfd35bf643d27dbca1bb228957008617) (https://android.googlesource.com/toolchain/llvm dfe553c721f995b34e6608bd6039cce877e7bb1b) (based on LLVM 8.0.6svn)) #1 SMP PREEMPT Wed Jan 16 14:45:01 PST 2019

今回のアップデートにより Linux version が 4.4.171 になりました。

2019年2月のセキュリティパッチ
(Android 9 Pie, Release 7, PQ1A.190105.014)
Linux version 4.4.171-perf+ (jenkins@9d7eb5ae9ef0) (Android (5166481 based on r346389b) clang version 8.0.6 (https://android.googlesource.com/toolchain/clang b55f2d4ebfd35bf643d27dbca1bb228957008617) (https://android.googlesource.com/toolchain/llvm dfe553c721f995b34e6608bd6039cce877e7bb1b) (based on LLVM 8.0.6svn)) #1 SMP PREEMPT Wed Jan 16 14:45:01 PST 2019
2019年1月のセキュリティパッチ
(Android 9 Pie, Release 6, PPR1.181005.116)
Linux version 4.4.166-perf+ (jenkins@9d7eb5ae9ef0) (Android clang version 5.0.300080 (based on LLVM 5.0.300080)) #1 SMP PREEMPT Sun Dec 2 15:06:35 PST 2018
2018年12月のセキュリティパッチ
(Android 9 Pie, Release 5, PPR1.181005.099)
Linux version 4.4.162-perf+ (jenkins@9d7eb5ae9ef0) (Android clang version 5.0.300080 (based on LLVM 5.0.300080)) #1 SMP PREEMPT Tue Nov 6 00:18:11 PST 2018
2018年9月のセキュリティパッチ
(Android 9 Pie, Release 2, PPR1.180905.036)
Linux version 4.4.152-perf+ (jenkins@9d7eb5ae9ef0) (Android clang version 5.0.300080 (based on LLVM 5.0.300080)) #1 SMP PREEMPT Fri Aug 24 05:32:38 PDT 2018

あとがき

私が所有する docomo Xperia X Compact は本体からアップデートする選択肢しかありません。 

NTTドコモのスマートフォンはほとんど使われることのないドコモオリジナルアプリが沢山プリインストールされているので、セキュリティパッチをリリースする前の検証作業が大変なことは想像つきます。

それを証明するかのような記事を見つけました。

ケータイWatch(2019年2月5日)によると、NTTドコモは Android 9 にバージョンアップするソフトウェア更新の提供を開始したそうです。しかしながら、セキュリティパッチレベルは2018年12月です。

PH-1 より2か月古いセキュリティパッチです。
そして Xperia X Compact は Android 9 Pie へのアップデート予定はありません。

使われないアプリを詰め込んでセキュリティ対策が疎かになるなら、端末はメーカーに任せてはどうでしょうか?

そうなれば私は嬉しいです。
NTTドコモは、「Xperia XZ Premium SO-04J」「Xperia XZ1 SO-01K」「Xperia XZ1 Compact SO-02K」を対象に、OSをAndroid 9にバージョンアップするソフトウェア更新の提供を開始した。

~ 中略 ~

セキュリティパッチレベルは2018年12月になる。
ケータイ Watch

検証:Essential Phone PH-1, Android 9(PQ1A.190105.014)
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