
まえがき
ChatGPTを使っていると、現在の質問とは直接関係がないはずの過去の会話について、ChatGPTが以前の発言や好みなどを踏まえて回答することがあります。
これは必ずしもChatGPTが「過去のチャットをすべて読み返している」という意味ではありません。ChatGPTには、ユーザーが明示的に保存した情報を利用する「保存済みメモリ」と、過去の会話から有用な情報を参照する「チャット履歴を参照」という仕組みがあります。
OpenAIの公式ヘルプによると、「チャット履歴を参照」が有効になっている場合、過去の会話から共有された情報を新しい会話に反映し、回答をよりパーソナライズすることがあります。
一方で、「過去のチャットを参照されたくない」という設定と、「自分の会話をChatGPTのモデル改善に利用されたくない」という設定は別です。
そこで今回は、ChatGPTが過去の会話を参照することを止めたい場合に、どの設定を変更すればよいのかを整理します。
ChatGPTについて
ChatGPTには、過去の会話を今後の回答に役立てるための「メモリ」機能があります。
現在のChatGPTでは、メモリに関係する設定として主に「保存済みメモリを参照する」と「チャット履歴を参照する」があります。
「保存済みメモリを参照する」は、ユーザーがChatGPTに覚えておくよう依頼した情報など、保存されたメモリを回答に利用する機能です。
一方、「チャット履歴を参照する」は、過去のチャットから有用な情報を参照し、現在の会話に反映する機能です。保存済みメモリとは異なり、過去の会話の情報はChatGPTが有用性を判断しながら更新する場合があります。
ここで重要なのが、「チャット履歴を参照する」と「すべての人のためにモデルを改善する」は別の機能だということです。
「チャット履歴を参照する」をオフにすると、ChatGPTが過去のチャットから記憶した情報を今後の会話で参照することを停止できます。
これに対して、「すべての人のためにモデルを改善する」は、会話をOpenAIのモデル改善に利用するかどうかを管理するデータコントロールの設定です。この設定をオフにしても、通常のチャットはチャット履歴に残ります。
つまり、
「過去の会話を今後の回答に使ってほしくない」
→ 「チャット履歴を参照」を確認する
「自分の新しい会話をモデル改善に利用してほしくない」
→ 「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにする
というように、目的に応じて設定を使い分ける必要があります。
トラブルシューティング
ChatGPTに過去のチャットを参照させない
ChatGPTが以前の会話を参照しているように感じる場合は、「チャット履歴を参照」をオフにします。
Web版のChatGPTでは、プロフィールアイコンから「設定」を開き、「パーソナライズ」を選択します。
そこで「チャット履歴を参照する」の設定を確認し、オフにします。
OpenAI公式ヘルプでも、「設定」→「パーソナライズ」から「チャット履歴を参照する」のオン・オフを切り替えられると説明されています。
なお、設定項目の名称や表示方法は、利用しているプランやChatGPTのバージョンによって多少異なる場合があります。
保存済みメモリも確認する
「チャット履歴を参照」をオフにしても、すでに保存されているメモリについては別途確認が必要です。
保存済みメモリはチャット履歴とは別に管理されています。そのため、単純に過去のチャットを削除しただけでは、そのチャットから作成された保存済みメモリまで自動的に削除されるとは限りません。
保存済みメモリを確認したい場合は、ChatGPTの「設定」→「パーソナライズ」からメモリの管理画面を開き、不要なメモリを削除します。

また、ChatGPTに「私について記憶していることを教えて」と尋ねたり、特定の情報を忘れるよう依頼したりすることもできます。
重要な情報を完全に削除したい場合は、保存済みメモリだけでなく、その情報を最初に共有したチャットも削除する必要があります。OpenAIも、保存済みメモリと元のチャットの両方を削除する方法を案内しています。
過去のチャットそのものを削除する
過去のチャットを今後参照されたくないだけなら、必ずしもすべてのチャットを削除する必要はありません。
「チャット履歴を参照」をオフにすることで、過去のチャットからChatGPTが記憶した情報を今後の会話で利用する機能を停止できます。OpenAIによると、この設定をオフにすると、過去のチャットから記憶された情報は削除対象となり、30日以内にシステムから削除されます。
ただし、チャット履歴そのものを削除したい場合は、別途チャットを削除する必要があります。重要な会話を残しておきたい場合は、いきなり「すべてのチャットを削除」するのではなく、まず「チャット履歴を参照」の設定を確認するほうが適切です。
「モデルの改善」とは別に考える
ChatGPTのプライバシー設定で混同しやすいのが、「すべての人のためにモデルを改善する」です。
この設定をオフにすると、新しい会話はChatGPTのモデル改善に利用されなくなります。ただし、会話自体がチャット履歴から消えるわけではありません。
したがって、
「過去の会話を回答に利用されたくない」
という問題と、
「自分の会話をモデル改善に利用されたくない」
という問題は、別々に設定する必要があります。
過去の情報を残したくない場合は一時チャットを利用する
一時的な会話で、保存済みメモリを利用したくない場合は「一時チャット」を利用する方法もあります。
OpenAIによると、一時チャットはチャット履歴に保存されず、メモリも作成されません。また、モデルのトレーニングには利用されず、通常は30日以内にOpenAIのシステムから削除されます。
そのため、通常のチャット履歴を残しながら、特定の会話だけを過去のメモリから切り離したい場合には、一時チャットが適しています。
「一時チャット」は右上のアイコンをクリックすると利用できます。
あとがき
ChatGPTが以前の会話を踏まえて回答する機能は、継続的な作業や個人の好みに合わせた回答では便利です。
しかし、「今回の質問では過去の情報を使ってほしくない」「以前の会話内容を今後の回答に反映させたくない」という場合には、メモリやチャット履歴の参照設定を見直す必要があります。
今回のポイントは、「過去のチャットを参照する設定」と「ChatGPTのモデル改善に会話を利用する設定」は別だということです。
過去の会話を回答に反映させたくない場合は「設定」→「パーソナライズ」から「チャット履歴を参照する」を確認します。
保存された情報そのものを削除したい場合は、保存済みメモリも確認します。
一方、自分の会話をモデル改善に利用されたくない場合は、「設定」→「データコントロール」から「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにします。
なお、ChatGPTの設定項目は今後のアップデートによって変更される可能性があります。実際の画面で名称や配置が異なる場合は、OpenAI公式ヘルプの最新情報も確認することをおすすめします。
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