「天狗」と呼ばれた芸人、梶原雄太(カジサック)の炎上の先にあったもの

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はじめに

本レポートは、お笑い芸人およびYouTuberとして多岐にわたるキャリアを歩んできた梶原雄太氏の人物像、キャリアの変遷、そして彼を取り巻く世間の評価について多角的に分析するものである。

キングコングとしてのデビューからテレビでのブレイク、初期の「天狗」と評された振る舞い、母親の生活保護受給スキャンダルによる逆風、YouTuber「カジサック」としての劇的な再起、さらには上沼恵美子氏との絶縁やチームメンバーの離脱といった近年の出来事まで、彼のキャリアを時系列で追う。

特に、各メディアにおける彼の「実力」の発揮状況や、人間性の変化が世間の評価にどのような影響を与えてきたのかを考察する。

イメージとは異なる調査結果に...

当初、筆者は梶原氏に対してネガティブなイメージを抱いていたが、調査を進めるにつれ、その印象は覆された。ただし、公開されている情報に基づいて分析しているため、筆者の見解が必ずしも正確であるとは限らない。

特に、右腕とされたトンボ氏のチーム離脱については円満とされながらも、真相は不明である。



梶原雄太のキャリア初期と「キングコング」時代の光と影

デビューから「はねるのトびら」でのブレイク

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梶原雄太氏は1999年9月に西野亮廣氏と「キングコング」を結成し、お笑い芸人としてデビューした。吉本総合芸能学院(NSC)在学中にコンビ活動を開始し、その才能は早くから吉本興業内で注目を集めたとされている。

2001年には、フジテレビ系の人気深夜番組『はねるのトびら』のレギュラーに抜擢され、ボケ担当として相方の西野氏とともに番組のリーダーシップを担う存在となった。この番組での活躍が、キングコングの全国的なブレイクに繋がり、若くして高い知名度と人気を獲得した。

初期成功における「天狗」の評価と相方・西野亮廣の存在

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筆者が感じていたように、初期の急速な成功により、梶原氏には「天狗になった」という評価が浮上した。

実際、若手時代には「わが道を行くタイプで気配りをしない」「下っ端スタッフには態度を変える傲慢さ」があったと報じられている。同期のNON STYLE石田明氏からは、先輩芸人への無礼な態度を理由に説教されたエピソードも存在し、石田氏は当時の梶原氏が「売れてない奴なんて後輩だと思ってる」状態だったと証言している。

梶原氏自身も、若い頃は「性格が特に尖っていた」ことを自覚し、「人を傷つけて笑いを取ろうとしていた」ことを猛省していると語っている。

相方である西野亮廣氏との関係性は初期から非常に険悪で、ネタ合わせ中にペンを投げたり、カメラが回っていても喧嘩を始めたりすることがあったとされている。特にデビュー1年目と2003年の梶原氏復帰後には大きな喧嘩があったとされている。

梶原氏は、西野氏が「超人のような強さ」を持っていたため、自身の苦しみを相談できず、関係が悪化した結果、ストレスによる心身症を発症し、一時的な失踪に至ったと後に振り返っている。

才能への疑問視と芸能界での立ち位置

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「売れたのは相方の西野の才能のおかげであり、梶原の才能には疑問が残る」という意見について。

梶原氏はキングコングではボケ担当であるが、西野氏は梶原氏を「根本的にボケ」だと評する一方で、一部からは「人として弱い、弱すぎる」といった評価も存在した。

梶原氏自身は、過去に「芸人なんか優しい所なんていらんねん」という考えを持っていたことを明かしているが、YouTube活動を通じて「素の優しいカジが良い」という北陽の言葉が正しかったと認めている。これは、彼が自身の芸人としての「あるべき姿」に囚われ、本来の真面目で熱く、正直な性格を隠そうとしていた時期があったことを示唆している。

初期の成功時における「天狗」と評された振る舞いや才能への疑問は、単なる個人的な性格問題や実力不足だけでなく、芸能界という特殊な環境下での若手芸人の心理的葛藤と、自己表現のあり方の問題が複合的に絡み合っていたと分析される。

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梶原氏の傲慢さは、若くして成功したことによる経験不足、周囲からのやっかみ、そして「芸人としてかくあるべき」という強い固定観念に縛られ、本来の自分を隠そうとした結果生じた「背伸び」の側面があったと読み取れる。

彼は「真面目な自分は芸人として面白くないから、こんなところは見せない方がいい」と考えていたとされている。この「背伸び」と「素直さの欠如」が、彼自身の内面的なストレスを増大させ、心身症による失踪に繋がり、さらに相方との関係悪化を招いたと考えられる。彼の「才能への疑問」は、彼が本来の自分を出せず、芸人として不自然な振る舞いをしていた時期の評価が影響している可能性がある。

つまり、彼の「実力」は、彼が「芸人」という枠に囚われすぎた結果、十分に発揮されなかった、あるいは誤解された側面があったと解釈できる。西野氏の「人って変われるんやね! 変わるってすごいね!」という言葉は、梶原氏のこの変化を象徴しており、彼の初期の振る舞いが一時的なものであった可能性を示唆している。

生活保護受給スキャンダルと芸能活動への影響

スキャンダルの詳細と世間の批判

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2012年5月29日、次長課長・河本準一氏の母親の生活保護受給問題が社会的な波紋を呼ぶ中、梶原雄太氏も自身の母親(63歳)が生活保護を受給していることを『スポーツニッポン』で告白した。母親は2011年3月から生活保護を受給しており、その経緯として、勤め先の倒産、足の骨折、そして年齢的な就労困難が挙げられた。

梶原氏は、2002年11月に母親に分譲価格2千数百万円のマンションをプレゼントするためにローンを組み、毎月約40万円の返済があったため、母親への援助ができなかったと説明した。ローンは2012年8月に完済する予定であったが、河本氏の問題の影響を考慮し、母親が誤解を避けるために5月28日に受給を停止した。総受給額は約140万円に上るとされている。

この説明は「借金返済が苦しい間だけ国に助けてもらおう」という自己中心的な発言と受け取られ、ネット上で多くの批判的な声が上がった。福祉事務所が許可しているため法的には「不正受給」ではないとされたが、高収入を得ている芸能人の親が生活保護を受けていることに対し、「高収入を得ているのに…」という国民の不信感が募った。特に、梶原氏の母親がテレビ番組『はねるのトびら』にたびたび出演して息子を応援していたことも、批判を強める要因となった。

所属事務所の吉本興業は「生活保護受給の手続きには何らの瑕疵もなく、母親への精一杯の援助を続けている中での止むを得ない経緯があった」とコメントし、今後は同社が支援し受給を辞退するとした。梶原氏自身も2012年5月30日に会見を行い、不正受給を否定しつつ、世間を騒がせたことについて謝罪した。この問題は国会でも取り上げられ、自民党議員から、梶原氏の兄が国家公務員であることや、梶原氏が母親の住むマンションの隣棟に住み意図的に別居を装ったのでは、といった疑義が呈された。

「干された」とされる状況と実際のテレビ露出の変化

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筆者は、このスキャンダルにより梶原氏が「業界から干された」との印象を受けていた。この問題により、テレビ視聴者からは河本・梶原両名に「刑事罰や芸能界追放」を求める辛辣な意見が多数寄せられた。

しかし、梶原氏自身は「テレビから干された」という世間の声を否定している。彼は、『はねるのトびら』終了後、バラエティ番組の主流が体を張る企画からMCとひな壇芸人のトーク形式に変化したことに対し、自身の「実力が足りなかった」ため波に乗れなかったと説明している。相方の西野氏もひな壇が苦手であったが、梶原氏は一人で頑張ったものの「爪痕を残せなかった」ため、「干された」というよりは「需要がなくなっていった」という表現が正しいと述べている。

実際、スキャンダル後も梶原氏はテレビ番組に不定期ながら出演を続けており、例えば『ニッポン元気計画! 眠れるスター目覚ましバラエティ“ハックツベリー”』や『THEわれめDEポン』などに登場した。さらに、『快傑えみちゃんねる』には2015年から2020年までレギュラー出演しており、これは「完全に干された」という認識とは異なる実態を示している。

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梶原氏の母親の生活保護スキャンダルは大きな社会問題となり、世間からは厳しい批判があった。ユーザーはこれにより「干された」と認識しているが、梶原氏自身は「干された」ことを否定し、テレビのバラエティ番組のフォーマット変化と自身の適応不足を理由に挙げている。実際、スキャンダル後もレギュラー番組を持つなど、完全にテレビから姿を消したわけではない。したがって、「干された」という表現は、世間の厳しい批判と、彼がかつて『はねるのトびら』で享受していたような全国的な露出が減少したことに対する、視聴者側の主観的な解釈である可能性が高い。

彼のテレビ露出の減少は、スキャンダルによる直接的な「業界からの排除」というよりは、スキャンダルによるイメージ悪化と、それに伴うテレビ局側の起用への慎重姿勢、そして彼自身の芸風と当時のテレビのトレンドとのミスマッチが複合的に作用した結果と解釈できる。梶原氏のケースは、芸能人のスキャンダルが必ずしも即座の「干され」に繋がるわけではなく、市場の変化や本人の適応能力といった多角的な要因がキャリアに影響を与えることを示している。彼の「需要がなくなっていった」という自己分析は、当時の業界の構造変化を的確に捉えていたと言えるだろう。

YouTuber「カジサック」としての再起と成功の要因分析

YouTuber転身の背景と覚悟

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『はねるのトびら』終了後、梶原氏は芸人引退を考えていたが、妻の「もったいない」という言葉に思い留まった。2017年、彼はYouTuberのフィッシャーズや水溜りボンドの人気を目の当たりにし、芸能人の人気がYouTuberに奪われていることに危機感を覚えた。

「知名度のある芸能人がYouTuberと深く絡んでいる動画が少ない」ことに気づき、これは新しい挑戦になるかもしれないと考えた。1年間の研究・準備・会議を経て、2018年10月1日、「カジサック」としてYouTubeチャンネル『カジサックの部屋』を開設し、本格的にYouTuberとしての活動を開始した。

彼は「2019年末までにチャンネル登録者数100万人を達成できなければ芸人を引退します」と宣言し、自身の「覚悟」を示した。この宣言は、世間からの注目を集め、初期の批判的な意見(「無理に決まっている」「YouTube舐めるな」など)を乗り越える原動力ともなった。

チャンネル登録者数急増の軌跡と戦略

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カジサックチャンネルは、デビューから2ヶ月未満で目標の半分である50万人を達成し、2019年7月上旬には目標より半年早く100万人を達成し、芸人引退を回避した。その後も成長を続け、2020年5月16日には200万人を突破し、2021年4月18日には総再生回数10億回を突破した。

梶原氏は、YouTubeで成功しない芸能人の原因を「テレビと同じキャラクターのまま、テレビほど頑張らないスタンス」にあると分析している。

『カジサックの部屋』はチームで運営されているが、編集以外は全て梶原氏自身が行っており、そのプロデュース能力が発揮されている。彼は企画と分析に膨大な時間を割き、HIKAKIN氏やはじめしゃちょー氏といったトップYouTuberの動画を全て見て、企画性、テンポの良い編集、BGMなどの技術を盗み、自身の動画に生かせないか常に分析していると語っている。芸人の仕事(毎月漫才30本、大阪でのテレビ・ラジオレギュラー)との両立のため、睡眠時間は2時間もないと語るほどの努力を重ねていた。

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梶原氏のYouTubeでの成功は、単なる芸能人の知名度だけでなく、YouTubeというプラットフォームの特性を深く理解し、それに対応した戦略を立てた結果であると分析される。

具体的には、「芸能人のYouTube失敗要因」を分析し、それを回避する姿勢(本気度、キャラクターの再構築)を明確にしたことが挙げられる。また、トップYouTuberの徹底的な研究と、自身の「企画力」「分析力」を最大限に活用したことも重要な要因である。

過去のテレビでの「背伸び」や「嘘」の経験が、YouTubeでは「素直な自分」を出すことの重要性を認識させ、それが視聴者からの共感と支持に繋がったと考えられる。家族という守るべきものができたことも、新たな道を開く原動力となったと本人が語っており、私生活の変化がキャリアに好影響を与えた側面も大きい。

梶原氏のYouTubeでの成功は、単なる「転身」ではなく、過去の失敗と自己分析に基づいた「自己変革」と「戦略的適応」の成果であると結論付けられる。彼の「天狗」と評された過去の経験が、YouTubeでは逆に「人間臭さ」として魅力に転換された側面があることは注目に値する。

ラファエル、ヒカルなど人気YouTuberとのコラボレーションの影響

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筆者は「ユーチューバーで成功したのはラファエル、ヒカルの援護射撃が大きく、梶原の実力ではなかった」との印象を受けていた。

梶原氏はYouTuberデビューのきっかけとして、ラファエル氏のモノマネ動画をきっかけに彼と出会い、動画制作の相談をするようになったこと、そしてヒカル氏に「明確な目標を設定しないと意味がない」と指摘されたことを挙げている。これは、彼らが梶原氏のYouTube活動開始の「きっかけ」や「方向性」に大きな影響を与え、初期の戦略形成に貢献したことを示唆する。

初期の動画では、大物YouTuberとのコラボやテレビ番組の企画のような「二番煎じ感」が強いという否定的なコメントも存在した。視聴者コメントの中には、ヒカル氏とのコラボで「ヒカルを立てようとする感じが目立ってなんかちょっとイメージ変わった」という意見もあり、コラボのあり方に対する視聴者の見方も存在した。

しかし、梶原氏自身は「YouTube界とテレビ界の壁をぶっ壊して橋をかけたい」という大きな目標を掲げ、そのための具体的なアクションとして「YouTuberとたくさんコラボレーションすること」を挙げていた。これは、彼がコラボを自身の戦略の一部として意図的に行っていたことを示している。

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ラファエル氏やヒカル氏といったトップYouTuberが梶原氏のYouTubeデビューに影響を与え、コラボも行われたことは事実である。ユーザーはこれを「援護射撃」と捉え、梶原氏自身の「実力」を疑問視しているが、彼らの影響は「実力不足を補う」というよりは、YouTubeという新天地での「戦略的な足がかり」としての意味合いが強いと分析できる。

梶原氏自身が「壁を壊す」ためにコラボを積極的に行うと明言しており、これは彼の明確な戦略の一部であった。初期の「二番煎じ」批判はあったものの、その後、彼自身の企画力と実行力でチャンネルを成長させている。

彼らとの交流は、梶原氏にYouTubeの「本質」や「成功法則」を学ぶ機会を与え、彼の戦略形成に貢献した。コラボは初期の認知度向上に寄与したが、その後の持続的な成長は、梶原氏自身の不断の努力(睡眠時間2時間、徹底的な分析など)と、彼の人間性がYouTubeで「素直」に表現できるようになったこと、そして家族を巻き込んだコンテンツの魅力が相まって達成されたものである。トップYouTuberとのコラボはあくまで「戦略的投資」であり、その後の成功は梶原氏自身の「実力」と「適応能力」によるものであると評価できる。

近年の動向と人間性への再評価

上沼恵美子との絶縁問題の経緯

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梶原氏は2015年から上沼恵美子氏の冠番組『快傑えみちゃんねる』にレギュラー出演しており、上沼氏に寵愛されていたとされている。しかし、2020年7月に一部週刊誌が報じた「パワハラ騒動」が発端となり、両者の関係に亀裂が入った。

具体的には、2020年6月26日放送の『快傑えみちゃんねる』の収録中、上沼氏が梶原氏に対し「イラついてんねん、君に!」などと罵倒したとされる。放送されなかったシーンでは、上沼氏が梶原氏に対し、これまでの恩義を欠いているとして「一度私にごちそうしなさい」と愛のあるいじりから始まったものの、その後「あんたこの番組に途中から来た子やんか。最初からブッキングされた出演者ちゃうやん」と表情を変えて批判を強めていったと報じられている。

共演者が止めに入っても上沼氏は制止し、梶原氏は明らかに動揺し、笑いも消え、涙目になっていた様子が目撃された。この収録後、梶原氏は『快傑えみちゃんねる』と隔週レギュラーだった『上沼恵美子のこころ晴天』(ABCラジオ)から降板することとなった。

上沼恵美子氏と梶原雄太氏の絶縁は、単なる感情的な衝突に留まらず、芸能界における師弟関係や恩義、そしてパワハラ問題といった複雑な要素が絡み合った結果と解釈できる。

梶原氏が上沼氏を「恩人」と公言していたにもかかわらず絶縁に至った背景には、上沼氏の「愛のあるいじり」がエスカレートし、梶原氏が笑いに変えられないほど追い詰められた状況があった。

これは、芸能界の慣習における「いじり」と「パワハラ」の境界線が曖昧であること、そして権力を持つ者と持たざる者の間の力関係が、公の場での人間関係に大きな影響を与えることを示唆している。

梶原氏が涙目になるほど動揺したという事実は、彼がその状況を乗り越えられなかったこと、あるいは乗り越える必要がないと感じたことを示しており、彼の人間性の変化、すなわち「素直さ」を発揮できるようになった結果とも考えられる。過去の「背伸び」をしていた彼であれば、無理にでも笑いに変えようとしたかもしれないが、YouTubeで「素の自分」を出すことの重要性を学んだ彼にとっては、耐え難い状況であった可能性も指摘できる。

チームカジサックからのトンボ氏離脱と人間性への疑問

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「ユーチューバーのチームとして所属していたトンボ氏が近年離脱しており、梶原は性格が悪いためメンバーから慕われないのではないか」という疑問について。

トンボ(山口トンボ)氏は、カジサックの部屋の初期メンバーであり、キングコングの座付き作家でもあった。彼はカジサックやその子供たちに深い愛情を持っており、せんちゃんのファンを自認するほどであった。

トンボ氏のチームカジサックからの卒業は、2024年12月30日の動画で発表され、卒業の理由としては「エンタメに限らず、今までやってこなかったことに挑戦したい」と説明されている。梶原氏自身も、トンボ氏が「自分でやりたいことが強くなった」と説明しており、トンボ氏の長期休暇を経ての決断であったことを示唆している。

梶原氏は、カメラマン・作家・声の人であるトンボ氏とヤスタケ氏を非常に大切に思っており、ドッキリ動画で2人がチームを抜けるという設定の際に「2人は本当に戦友で、時に炎上もしたし、トンボもヤスタケも同じ気持ちになったと思うんよ。あの2人は演者だと思っている。俺ら3人そろってカジサック。俺が言いたいのはあの2人は絶対に外したくない。俺らはずっと一緒に走っていきたい」と語り、2人を大切に思っていることを示している。

この動画でトンボ氏は号泣し、ヤスタケ氏も涙ぐんでいた。また、泥酔した梶原氏を隠し撮りした動画で、カジサックチャンネルが終わる時について「お前ら2人(トンボ・ヤスタケ)のどっちかが抜けるときちゃう?しか今俺は思えへんな」と答え、トンボ氏は泣きそうになっていたというエピソードもある。

トンボ氏の離脱は、梶原氏の人間性が原因でメンバーから慕われないという筆者の懸念とは異なる理由が示されている。トンボ氏自身の「新たな挑戦」への意欲が主な理由であり、梶原氏がチームメンバーを深く信頼し、大切に思っていることが複数のエピソードから読み取れる。

これは、初期の「天狗」と評された梶原氏の人間性が、YouTube活動を通じて大きく変化したことを示唆している。チームメンバーとの強固な信頼関係は、彼のYouTube成功の重要な基盤の一つであり、メンバーが彼を慕っている証拠とも言える。したがって、トンボ氏の離脱は、梶原氏の人間性の問題ではなく、チームメンバー個人のキャリアパスの選択によるものと解釈できる。

梶原雄太の人間性の変遷と現在の評価

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梶原氏は、かつては人見知りながら明るい性格であったが、若くしてテレビで成功したことでストレスを抱え、「芸人としてかくあるべき」という強い思いに縛られ、本来の自分を出せずに苦しんでいた。彼は「真面目な自分は芸人として面白くないから、こんなところは見せない方がいい」と考え、テレビ番組で制作側の質問に全て乗っかり、事実ではない「束縛が激しい夫」というキャラクターまで演じていたことを後悔している。

しかし、YouTubeと出会い動画を作る中で、「ここなら素の自分を出せる、今がいちばん楽しい」と感じるようになった。YouTubeは、彼が「素直になれる場所」を自分で切り開いた結果であり、妻のヨメサック氏も彼の素の部分を出してほしいとずっと思っていたという。

現在、梶原氏は『毎週キングコング』の動画で「器が小さい」「メンヘラ」などと評されることがある。彼は几帳面で、礼儀や上下関係に関するこだわりが強く、それにそぐわない行動を見ると許せなくなり、怒ったりエピソードとして話したりする。当初は批判的なコメントもあったが、YouTuberカジサックの人気上昇とともに、「梶さんの器ちいさい話すき」「正直わかるわー」というファンが増え、今では「愛すべきキャラクター」として親しまれている。

梶原氏の人間性の変遷は、過去の「背伸び」から「素直さ」への大きな転換を示している。かつては「芸人としてあるべき姿」に縛られ、素の自分を隠し、嘘をつくことで苦しんでいたが、YouTubeという「素直になれる場所」を見つけたことで、本来の真面目で正直な性格、そして「器が小さい」「メンヘラ」といった人間味あふれる部分をさらけ出すことができるようになった。

その結果、視聴者からは愛されるキャラクターとして受け入れられ、彼自身もその素の自分をネタとして昇華できるようになったと分析される。この変化は、彼のキャリアにおける重要な転換点であり、YouTubeでの成功を支える基盤となっている。彼の人間性の変化は、単なる個人的な成長だけでなく、彼が新たな表現の場を見つけ、自己肯定感を取り戻した結果と解釈できる。

まとめ

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梶原雄太氏のキャリアは、初期の急速な成功とそれによる「天狗」という評価、母親の生活保護受給スキャンダルによる逆風、そしてYouTuber「カジサック」としての劇的な再起という、波乱に満ちた変遷を辿ってきた。

初期の「天狗」と評された振る舞いは、若くしての成功に伴う経験不足や、芸人としての「あるべき姿」に囚われた結果の「背伸び」であったと分析される。この時期の彼の「才能への疑問」は、彼が本来の自分を隠し、不自然な振る舞いをしていたことによる誤解や、当時のテレビ業界のトレンドとのミスマッチに起因する側面があった。

母親の生活保護受給スキャンダルは、世間からの厳しい批判を招いたものの、彼の芸能活動が完全に「干された」わけではなかった。テレビ露出の減少は、スキャンダルによるイメージ悪化に加え、テレビバラエティ番組のフォーマット変化と彼自身の芸風の適応不足が複合的に影響した結果と見られる。

YouTuber「カジサック」としての再起は、彼のキャリアにおける最大の転換点であった。この成功は、単なる芸能人の知名度に依存したものではなく、YouTubeというプラットフォームの特性を深く理解し、トップYouTuberの徹底的な研究、自身の企画力と分析力を最大限に活用した戦略的な努力の賜物である。特に、過去の「背伸び」の経験から学び、「素の自分」をさらけ出すことを選んだ自己変革が、視聴者からの共感と支持を得る上で決定的な要因となった。ラファエル氏やヒカル氏とのコラボレーションは、初期の認知度向上と戦略形成に貢献した「戦略的投資」であり、その後の持続的な成長は梶原氏自身の「実力」と「適応能力」によるものである。

上沼恵美子氏との絶縁は、芸能界における力関係や「いじり」の境界線が曖昧な中で、梶原氏が自身の人間性の変化に伴い、不本意な状況を受け入れなくなった結果と解釈できる。また、チームカジサックからのトンボ氏の離脱は、梶原氏の人間性の問題ではなく、トンボ氏自身の新たな挑戦への意欲によるものであり、梶原氏がチームメンバーを深く信頼し、大切にしていることが示されている。

総じて、梶原雄太氏は、過去の失敗や批判から学び、自己を深く分析し、新たな表現の場であるYouTubeで「素直な自分」を表現することで、再評価と成功を収めた稀有な事例である。彼のキャリアは、芸能界という変化の激しい環境において、自己認識の深化と戦略的適応がいかに重要であるかを明確に示している。

    引用文献

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  25. トンボさん脱退…カジサックの本音を聞いてみました - YouTube, 7月2, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=esSHivQnsJE
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