,米国
2019年6月4日、Essential Products は Essential Phone PH-1 の2019年6月期セキュリティパッチをリリースしました。
PH-1 はピュア Android 製品なので、Google がリリースするセキュリティパッチと連動して数日の誤差で PH-1 用セキュリティパッチがリリースされます。
今回の Security Update はセキュリティパッチレベルの更新だけですが、ファイルサイズが 322.2MB とビッグサイズなのでパケット消費にご注意ください、
概要は次の通りです。
Android のバージョン | Android 9.0.0 Build PQ1A.190105.077 |
セキュリティパッチレベル | 2019年6月5日 |
改善 | ー |
本体更新 | 322.2 MB |
OTAファイル | 1.1 GB PH1-OTA-PQ1A.190105.077.zip |
アップデート手順の概要
セキュリティパッチをインストールする方法は2種類あります。- PLAN-A: 30分~40分
- PLAN-B: 5分
PLAN-Aは、PH-1本体で [ダウンロード~インストール] を完結させるため、複数回の再起動が必須なので時間がかかります。
PLAN-Bは、ダウンロード済みアップデートファイルをPH-1へ転送するだけなので、約5分前後で終わります。
PLAN-A
PH-1本体からアップデートします。アップデート完了まで40分以上かかります。
PH-1 > 設定 > システム > 詳細設定:システムアップデート
PLAN-B
公式サイトから [OTA | Fastboot] ファイルをダウンロードしてPH-1へ転送する方法です。
OTA方式はバージョンアップのみに対応しており、バージョンダウンすることはできません。そして、端末は初期化されません。
OTAファイルを転送する時間は5分前後なので、本体からアップデートするより短時間で終わります。
Fastboot方式はバージョンアップ及びバージョンダウンの両方に対応していますが、端末が初期化されるので再設定が必要です。
PCから OTA (Fastboot) ファイルの転送を行うには adb コマンドが利用できるようにしておく必要があります。
次項で、PLAN-B を実行する手順の概要を記載します。
PLAN-A は悩む場面がないので割愛します。
adb環境を構築する
OTA (Fastboot) 方式はPCからPH-1へファイル転送する時にadbコマンドを使用するため、 Android SDK Platform-Tools が動作するPCが必要です。
adb:Android Debug Bridge
Android SDK Platform-Tools は、Essential Products 公式サイト Developer Overview ページからダウンロードすることができます。(文末リンク参照)
adbコマンドは、通常起動したコマンドプロンプトまたは Windows PowerShell から実行します。
OTA ファイルを入手する (PLAN-B)
公式サイトからOTAファイルをダウンロードする手順は次の通りです。- Developer Overview ページにアクセスする
- 「Current Builds」にチェックを入れる
- 「Submit Form」をクリックする
- ダウンロードページが表示される
- 最新のOTAファイルをダウンロードする
OTA (Sideload)
コマンドプロンプトは通常起動でよく、管理者モードで起動する必要はありません。コマンドプロンプトの代わりに Windows PowerShell を利用することができます。
- PH-1をUSBデバッグモードに変更する
- PH-1とPCをUSBケーブルで接続する
- コマンドプロンプトを起動する(通常モード)
- adbコマンドを実行してPH-1をリカバリーモードで再起動する
- PH-1を Apply update from ADB モードにする
- adb sideload を実行してOTAファイルをPH-1へ転送する
[手順5、6] の解説
- 手順5:PH-1本体右の電源ボタンを押しながらボリュームUpボタンを押すと選択メニューが表示される
- 手順6:adb sideload の引数はOTAファイルのフルパスを指定する
以下のコマンドプロンプトの例は、Cドライブ直下の PH-1 フォルダーに PH1-OTA-PQ1A.190105.077.zip をダウンロードしていることが前提です。
コマンドプロンプトのカレントディレクトリを変更するために [cd] コマンドを使用しています。
転送は5分程度で終わります。
c:\_
| コマンド プロンプト | ー □ × |
PH-1をUSBデバッグモードに変更してから次のコマンドを実行します。 C:\Users\xxx>cd c:\ph-1 C:\PH-1>adb reboot recovery * daemon not running; starting now at tcp:5037 * daemon started successfully C:\PH-1>adb devices List of devices attached (PM1LHMA123456789 sideload) PH-1の電源ボタンを押したままボリュームUpボタンを押してメニューを表示する。 [Apply update from ADB] を選択して電源ボタンを押す。 (メニューの移動はボリューム Up/Down、決定は電源ボタン) C:\PH-1>adb sideload PH1-OTA-PQ1A.190105.077.zip Total xfer: 2.00x c:\PH-1> 転送が終了したら、[Reboot system now] を選択して電源ボタンを押すとPH-1が再起動します。 |
詳細な手順が必要な方は関連記事を参照してください。
アップデート後のLinuxバージョン
c:\_
| コマンド プロンプト | ー □ × |
C:\>adb shell mata:/ $ cat /proc/version Linux version 4.4.180-perf+ (jenkins@9d7eb5ae9ef0) (Android (5271481 based on r349610) clang version 8.0.8 (https://android.googlesource.com/toolchain/clang 4dba9ad555eabb40b39dc53c12d09423e9faea7b) (https://android.googlesource.com/toolchain/llvm ab552995647d484a712bf15f77e6c6f4e8ac532b) (based on LLVM 8.0.8svn)) #1 SMP PREEMPT Wed May 22 17:33:52 PDT 2019 mata:/ $ exit |
今回のアップデートにより Linux version が 4.4.180 になりました。
あとがき
OTAファイル名の入力ミスを防ぐには次の手順をお勧めします。- キーボードのShiftキーを押しながら、マウスでファイルを右クリックする
- 「パスのコピー」を選択してクリップボードにファイルのフルパスをコピーする
- コマンドプロンプトに戻って、Ctrl+Vを押す
- ファイルのフルパスがペーストされる
フルパスとはルートディレクトリ (C:\) からファイルが保存されているフォルダーまでの全ての階層を記述したものです。
更新履歴
更新履歴は次の通りです。Date | Build | Patch | New |
2019/06/04 | 9 Pie PQ1A.190105.077 | 2019年6月5日 | ー |
2019/05/05 | 9 Pie PQ1A.190105.058 | 2019年5月5日 | Bluetooth 接続による音声出力の改善 電源 OFF 時の応答性の改善 |
2019/04/01 | 9 Pie PQ1A.190105.045 | 2019年4月5日 | adjustments to brightness and volume settings |
2019/03/05 | 9 Pie PQ1A.190105.024 | 2019年3月5日 | Digital Wellbeing |
検証:Windows 10 Pro October 2018 Update, v1809.17763.529
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