Windows ファイルマネージャーが蘇る
Windows NT 4.0 に付属していたファイルマネージャー WinFile がオープンソース化され、21年の歳月を経て Windows 10 で利用できるようになりました。
WinFileの機能は Windowsエクスプローラーに継承されています。
WinFile 復活の情報に触れて、Windows NT, Windows 95, Windows 98, Microsoft Office などの思い出が蘇ってきたので、メモに残しておきたいと思います。
思い出話が長くなったので、WinFile の情報は最後の方に書いています。
もくじ
- Windows 10 と Windows NT と Windows 9x
~ Windows 2000 はターニングポイント - MCP と Microsoft の資格ビジネス
- Microsoft Office
- ATOK と MS-IME
- WinFile ソフトウェア情報
- あとがき
Windows 10 と Windows NT と Windows 9x
Windows 10 はマイクロソフトでは Windows NT Version 10と呼称しているようです。従って、Windows NT 4.0 時代の WinFile が復活したということですね...?
当初の Windows NT は 32-bit で動作する業務用OSの位置づけだったと記憶しています。そして、インターネット黎明期だったので、主に企業内LANでファイルサーバーやドメイン管理などの用途で利用されていました。
業務用とはいえ、私のように一般ユーザーも利用することができました。
並行して、コンシューマー向けには 16-bit で動作する Windows 95/98(Windows 9x)が販売されていました。
Windows NT と Windows 9x の決定的な違いは、「安定性」です。
Windows NT はOSのカーネル領域とアプリケーション領域を分離して管理する構造なので、Windows 9x で頻発していたブルースクリーンが起きにくく、Windows 9x よりは格段に安定していました。
家電量販店などで販売されるパソコンにプリインストールされていたのは Windows 9x です。
Windows NT を Windows 9x が動作しているパソコンにインストールするにはそれなりにスキルが必要だったので、Windows NT ユーザーは少なかったように思います。
Windows 2000 はターニングポイント
Windows NT 系OSとWindows 9x 系OSを統合する形でコンシューマー用途としてリリースされたのが Windows 2000 です。ビルゲイツ氏は、Windows 9x 系OSがあまりにもブルースクリーンを頻発させるので、ユーザーの不満を吸収するためにWindows NT 系OSに統一するのがベターだと判断したのではないでしょうか。
Windows 9x でオフィス系ソフトウェアを利用する時は、いつブルースクリーンが発生するかわからないので、こまめにセーブしながら文書を作成していました。
私は今でも Windows 2000 が大好きですが、Windows 2000 の後継OS Windows XP がすぐに発売されたような印象があります。
Windows 2000 は致命的な不具合を抱えていたのでしょうか?
MCP と Microsoft の資格ビジネス
Windows NT がビジネス分野でヒットしたので、Microsoft は MCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)資格ビジネスを始めていました。そしてMCPを取得することが一つのステータスになっていたので私も取得していました。
MCP:Microsoft Certified Professional
MCPを取得しても社内での扱いが変わることはなかったですが、会社にとってはMCP有資格者数を競合他社に誇示できるので、受講費用を負担してくれたのだろうと思います。
マイクロソフトはMCP資格ビジネスでかなりの利益を稼ぎ出したのではないかと思います。
今のようにインターネット環境がない時代だったので、Microsoft から Windows 関連書籍を購入して勉強し、会社でサーバーを構築して実技を磨き、講習会に参加して専門知識を学び、お金を払ってMCP資格試験を受講する。
この黄金サイクルがぐるぐると回っていました。
OS で儲けて、書籍で儲けて、講習会で儲けて、受講料で儲ける。そして、社内は Microsoft 製品で占有される状態になる。
会社のサーバーが Windows系で構築されているなら、社員が使用するパソコンもWindows系になるのは必然です。
ビルゲイツ氏は本当に商売が上手だと思います。
Microsoft Office
表計算ソフト Lotus 1-2-3 はNEC製の PC-9801 では圧倒的なシェアを持っていましたが、Windows 3.1/Windows 95 に対応するのが遅れたように思います。その間隙をぬって、Microsoft は Office製品を発売しました。
当時の Microsoft Office は、Excel, Word, PowerPoint が主力製品です。dBase に対抗して Access をリリースしていましたが認知度は低かったように思います。
Microsoftは、ロータス社の Lotus 1-2-3 をパクった Excel を大ヒットさせ、ワープロソフト一太郎に対抗して Word をリリースしてシェアを奪いました。
プレゼンテーションソフトは、いつの間にか Lotus の Freelance(フリーランス)に代わり、Microsoft PowerPoint が企業間でやり取りするファイル形式のデフォルトになっていました。
Office製品は自社が開発する OS Windows 9x と親和性が高いのは当たり前なので、顧客に安心感を与えたのだと思います。
性能は置いといて、イメージ戦略に成功したビルゲイツはまたしても大勝利。
ロータス社は Lotus 1-2-3 のシェアを Excel に奪われてから凋落が始まり、現在はIBMに買収されています。グループウェア Lotus Notes は Notes としてまだ残っているようですが・・・。
私は Notes のプリンシパル資格を持っていますが、今となっては何の役にも立ちません。
余談ですが、日本語変換ソフトとして根強い人気のある ATOK は徳島県の会社ジャストシステムが開発したもので、ワープロソフトが一太郎です。表計算ソフトも発売しており製品名は三四郎でした。
三四郎でマクロを組んでいたころが懐かしいですが、今となっては全く役に立たないスキルです。
ATOK と MS-IME
NECが発売したパソコン PC-9800 シリーズが市場を寡占していたころ、ワープロソフトは一太郎一択でした。その一太郎に付属していた日本語変換ソフトウェアが ATOK です。
ATOK が日本語変換ソフトとしてバラ売りされるようになったのは、Windows 9x が登場してからだと記憶しています。
スマートフォンでも ATOK が使えるようになっていますが、いまだに ATOK ユーザーが多いのは驚きです。
一度慣れた環境は手放せないんでしょうね。
MS-IME は ATOK モードがありますが、ATOKフリークに尋ねてみると変換精度が違いすぎるのでATOKから離れられないと言います。
しかしながら、変な漢字を提示してくれる MS-IME を利用するほうが漢字の勉強になると思うんですけどね~(屁理屈)
WinFile ソフトウェア情報
名称 | WinFile |
バージョン | 10.0 |
リリース日 | 2018/04/07 |
ダウンロード | Releases · Microsoft/winfile · GitHub |
ファイル名 | Winfile_v10.0.zip |
対応OS | Windows 10 and All Windows System Requirements: VS 2015 C++ runtime |
ライセンス | Licensed under the MIT License. |
著作権 | Copyright (c) Microsoft Corporation. All rights reserved. |
作者 | Craig Wittenberg (Microsoft) |
日本語 | 非対応 |
機能概要 | Windowsファイルマネージャは、Windows 10を含め、現在サポートされているすべてのバージョンのWindows上でネイティブのx86およびx64デスクトップアプリケーションとして再び動作します。 |
2つのバージョンがあります
現在32bit版がアップロードされており、64bit版はアップロードされていません。自分でコンパイルする必要があるようです。original_plus | 2007年に存在したファイルマネージャです。小さな変更を加えており Visual Studioでコンパイルされ現在のWindows上で実行することができます。 |
current master | Craig Wittenberg 独自のカスタマイズ調整版です。 |
同梱されているヘルプファイルは Windows98 のものでした。
あとがき
マイクロソフトは WinFile を Microsoft Store でリリースしました。これってもしかして、Windows Explorer の代わりのファイルマネージャーとして置き換えるための布石なのでしょうか?
Windows Explorer は Windows OS と密接な関係にあり、タスクバーなどのプロセスとしても動いているので、ファイルマネージャー以上の機能があります。
Windows Explorer をバックグラウンドで動くソフトウェアとして切り離して、ファイルマネージャーの役割は WinFile に任せる構想を模索しているんですかね?
今のところ WinFile をインストールするつもりはありませんが、継続して見守っていきたいと思います。
2018/07/07
Winfile_v10.0.1806.1.zip がリリースされました。
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