「SASUKE」が五輪を変える!2028年ロス五輪採用の舞台裏と2026年現在の最新動向まとめ

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まえがき

1997年、緑山スタジオの片隅で産声を上げた一つの番組企画が、いまや「世界の五輪」を動かそうとしています。

TBSが誇るモンスター番組『SASUKE』。

そのDNAを正統に継承した「障害物レース」が、2028年ロサンゼルス五輪の正式種目として採用されました。2026年5月現在、世界各地で予選に向けた準備が本格化しており、単なる「テレビ番組」の枠を超えた歴史的転換点を迎えています。

もともと『SASUKE』は、世界160以上の国と地域で放送され、25カ国以上で現地版『Ninja Warrior』が制作されるなど、圧倒的な実績を誇ります。特に米国では賞金1億円を懸けた一大コンテンツとして定着し、社会現象を巻き起こしてきました。

この記事では、2022年に投稿した「サスケ SASUKE が2028年オリンピック競技に!?」のその後を追い、最新状況を徹底解説します。



採択までの道のり:馬術から「障害物」への大転換

馬術

かつて「貴族のスポーツ」と称された「近代五種」。その伝統ある一種目であった「馬術」に代わり、なぜ日本のバラエティ番組発の競技が選ばれたのでしょうか。

  • 2021年〜2022年

    東京五輪での馬術を巡る混乱を受け、国際近代五種連合(UIPM)が代替種目の検討を開始。世界160以上の国と地域で放送され、25カ国以上で現地版『Ninja Warrior』が制作されている実績が評価され、『SASUKE』が候補に浮上しました。

  • テスト大会の成功

    2022年、トルコで開催されたテスト大会で番組セットが使用され、その競技性と若年層への訴求力が証明されました。

  • 2023年10月

    正式採択: インド・ムンバイで開催されたIOC総会にて、2028年ロス五輪からの正式導入が可決されました。

【TBSプロデューサーの思い】

番組のチーフプロデューサーを務める七澤徹氏は、この決定を「先輩方が積み上げてきた40回大会分の努力が認められた」と語っています。興味深いことに、七澤氏自身は大学時代に馬術部だったという経歴を持ち、「馬術が外れるのは複雑だが、SASUKEの責任者としてこの瞬間に立ち会えたことに運命を感じる」と、複雑ながらも誇らしい胸中を明かしています。

今後のスケジュール(2026年5月時点)

2026年現在、競技は「見るもの」から「挑むもの」へと急速に普及しています。

  1. 2026年6月

    国内でも『OCR SPEED SPRINT in リソルの森 2026』など、五輪基準の70m障害物コース(OCR70m)を用いた本格的な公式大会が開催されます。

  2. 2026年中盤〜

    ロス五輪に向けた世界ランキングポイントの加算対象となる国際大会が本格始動します。

  3. 2027年

    各国での代表選考会がピークを迎えます。日本国内でも、番組出演者(レジェンド)と近代五種アスリートの技術交流が期待されます。

  4. 2028年7月

    ロサンゼルス五輪開幕。近代五種の一種目として、ついに『SASUKE』スタイルの競技が五輪デビューを果たします。

今後の展開予想

  • 競技の標準化と普及

    2025年からは世界選手権などの主要大会でも「障害物レース」が導入されます。五輪に向けて、世界中で『SASUKE』スタイルのトレーニング施設が増え、競技人口が急増すると予想されます。

  • 日本選手の活躍

    もともと日本発祥のコンテンツであるため、日本には「反り立つ壁」などの障害物に慣れた選手やノウハウが豊富です。近代五種の日本人選手が、SASUKEのトッププレイヤー(サスケくんなど)から技術指導を受けるといった、番組とスポーツの垣根を越えた連携が進む可能性があります。

  • パルクールなど他種目への波及

    障害物レースの成功により、将来的には「パルクール」など、よりエンターテインメント性の高いアーバンスポーツが追加種目として検討されやすくなる流れができるかもしれません。

参考:近代五種での馬虐待騒動

東京五輪・馬術競技を巡る波紋と「馬の福祉」への転換点

馬術

2021年に開催された東京五輪では、馬術を巡るいくつかの出来事が大きな議論を呼びました。これらの事案は、スポーツにおける「馬の福祉(ウェルビーイング)」の重要性を世界に再認識させることとなりました。

近代五種での虐待騒動と種目廃止の決定

最も大きな波紋を呼んだのは、近代五種女子の馬術競技でした。ドイツ代表のアニカ・シュロイ選手が、抽選で割り当てられた馬「セントボーイ」に障害の飛越を拒否され、制御不能に陥るトラブルが発生。選手が涙を流す中、コーチのキム・レイズナー氏が馬を拳で殴打しました。

この映像が拡散されると、動物虐待として世界中から非難が殺到し、同コーチは失格処分を受けました。この事件をきっかけに競技のあり方が根本から問われ、2028年ロサンゼルス五輪からは馬術を廃止し、別の種目へ変更されることが決定しています。

競技中の負傷による「苦渋の安楽死」

総合馬術競技では、馬の命に関わる痛ましい事故も発生しました。スイス代表のロビン・ゴデル選手が騎乗する「ジェット・セッター」が、クロスカントリーコースの走行中に右前足を負傷。獣医師による診断の結果、回復困難な骨折であることが判明しました。

「馬の福祉」を最優先とし、これ以上の苦痛を長引かせないための判断として、やむを得ず安楽死の処置が取られました。競技の過酷さと、動物の命を預かる責任の重さが改めて浮き彫りとなった事案です。

「だるま」障害と馬の心理的ストレス

競技環境の面でも課題が見られました。障害飛越競技では、日本らしい「だるま」をあしらった障害物が設置されましたが、その独特な外見に驚き、走行を拒否したり落下させたりする馬が相次ぎました。

五輪という極限の緊張感の中で、視覚的な刺激が馬の集中力にどう影響するかという、コース設営の難しさが議論の対象となりました。

検疫現場での迅速な感染症対策

運営の裏側では、防疫上のトラブルも発生していました。会場の馬事公苑に到着した競技馬1頭から、検査により「馬ピロプラズマ症」の陽性反応が検出されたのです。

しかし、これは直ちに行われた隔離と防疫措置によって他の馬への感染拡大は未然に防がれました。大会の安全を支える検疫体制の重要性を示す一例となりました。

まとめ:問われる「動物との共生」

これらのトラブルを背景に、馬術競技における「馬の福祉」はこれまで以上に厳しい目で見守られるようになりました。国際的なスポーツの舞台において、人間と動物がいかに敬意を持って共生すべきか、その指針が今、強く問われています。

あとがき

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日本のバラエティ番組がオリンピック種目になるという事態は、単なる「コンテンツの輸出成功例」に留まりません。言語を介さずとも、過酷なセットに心身を賭して挑む姿が感動を呼ぶ——『SASUKE』が提示したこのコンセプトは、スポーツの本質的な喜びを世界に再提示しました。

そもそも『SASUKE』が近代五種の代替種目として俎上に載った背景には、従来の「馬術」において、馬の個体差による公平性の欠如や動物愛護の観点から課題が指摘されていたという経緯があります。

しかし、代わりの種目なら何でも良かったわけではありません。他者を蹴落とすのではなく、己とコースに挑み、互いを称え合う。そんな『SASUKE』に宿る「日本流の美学」が認められたからこその採用と言えるでしょう。この精神が、これからの五輪のあり方さえも変えていくのかもしれません。

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